第17話 ジビエバーベキュー②


「……おお」



 調理し終えた、六角ボアと野菜を使ったバーベキュー串。


 野菜が焦げ過ぎないように、最新の注意を払って焼いてみたんだけど。


 味付けは岩塩だけとは言え……焼いた肉だけでなく、野菜の良い匂いがしていた。


 クレハも、少し気に入ったのか匂いを嗅ぐのに鼻をすんすんさせていたわ。



「これが……バーベキュー串っていうの」


「……バーベキュー」


「せっかくだから、ひとつ食べよ?」


「せやな!」



 クレハは、尻尾だけで六角ボアをひょいひょいと倒してくれたけど。運搬とか、他にもいろんな魔法使ってくれたんだもん。功労者の彼女には、是非とも一番に食べてもらいたかった!


 クレハは、玉ねぎことポルネギメインの串が気になったのか……猫又ちゃんの時とは違い、手で串を持ってくれた。


 肉だけの時とは違い、不思議そうに見つめていたけど……息を吹きかけずに、いきなりパクッとポルネギの部分にかじりついた!?



「や、火傷大丈夫!?」



 ほふほふとかは言わないけど……モンスターにも、猫舌とかないのかな?


 クレハとかは、特に生食が基本だったらしいのに……って、肉オンリーの時はなかったな、そう言えば。



「ん!? 甘い!!?」



 そんな心配を他所に、クレハはきちんと食べ物を飲み込んでから声を上げた。



「……ほんと?」



 自分で提案しておいてなんだが、うまく出来たのに少しドキドキしてしまう。



「せや! ちょぉ、香ばしいけど……そこがええ! 辛いのはほとんどない!! シャキシャキして甘いなあ……肉ともようけ合う!! こりゃ、おじぃも喜ぶで!!」


「……ほっ」



 苦手なものを食べさせてしまったはずなのに……先入観を無事払拭出来たようだ。


 クレハは残りの部分も美味しそうに食べてくれたので……次は、とピーマンことパプリの串を食べてもらうことに。パプリだけでなく、椎茸ぽいクリマシュってキノコも刺したから一緒に食べて欲しかった。



「ほーん? パプリは苦いもやのに」


「種類によると思うけど……ちょっと苦味残る以外は甘いはず」


「クリマシュは?」


「ふかふかして……中の味わいが強くなってると思う」



 私が食べるよりも、モンスターに売ると言うことでクレハに味見してもらうわけだが。


 ポルネギで、すっかり野菜を焼くのに興味を持ってくれたのか……クレハは、迷わずにかぶりついてくれたのだ。



「うんま〜〜!!?」



 美少女の笑顔全開。


 加えて、どんどん蕩けていく感じになり。


 塩で味付けしただけのバーベキュー串だけど……野菜も加わったことにより、さらに美味しく出来たようだ。


 やったね!!

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