第15話 再び狩る


「ほんなら、これで」



 里からまた外に出てきて……例の六角ボアの狩りに出ています。


 クレハは猫又の姿に戻らず、獣人バージョンで戦ってる?


 はてなマークを浮かべてしまうのは、私を木の上に魔法で避難させた後……丁度よくやってきた、これまた大きい六角ボアがご登場したんだよね?


 それを、尻尾を軽く振ったら……勝手にひっくり返ったように見えた!? あれで倒したの!!?



「歯ごたえないなあ?」



 いやいや!?


 クレハさん、あなたが強過ぎるんですって!!


 魔法頼りでも……クレハ強いんだなあって感心しちゃうくらい!



「く、クレハ! 大丈夫!?」


「だーいじょぶやで〜? ほな、おかわりいこか?」



 そこから、次々に来ていた六角ボアの数体の群れも……なんのそのという感じに。


 また尻尾をフリフリするだけで……全部、倒しちゃった!?



「す……凄い!!」


「あちきの手にかかればこんなもんや。んで、これは昼前みたいにすればええん?」


「そだね! 試作兼ねて、川べりで調理しよう!!」


「やった!」



 ってことで、今度はジェットコースターばりの移動魔法を使ってもらったけど……ちょっと慣れたのか、酔ったりはしなかった。


 冷やす前に血抜きと臓物を除去するんだけど……ここでひとつ、私は違うことに挑戦しようとしていた。



「……これ、本当に大丈夫?」



 手にしているのは、刃物。


 武器じゃなく……一応、包丁。


 見たことがない形状の……私でも扱えるかわからないもの。


 里の露店とかで、肉を捌くのに売ってたのがこう言うので……クレハが買ってくれたんだよね? 無いよりはいいかもしれないって。



「無理なら無理で、またどっかで買い直せばええやん?」


「無駄遣いにならない?」


「遠慮せんでええで?」


「……うーん。とりあえず頑張ってみる」



 まずは、腹部に切り込みを入れるところから。


 短いボアの足を持って、刃を突き立ててみると……何故か、紙を切っているかのようにサクッと切り込みが出来たのだ!?


 まさか、と首にスッと切り込みを入れれば……頸椎あたりから、血がさーっと流れてきた!?



「お? ええやん?」


「すっごい!! この包丁すっごい!!」



 切れ味がわかれば、思いっきりお腹を捌いてみると……慣れない人にはスプラッタな状態でしかない、臓物がダバダバと血やら色んな液と一緒に出てきた……。


 けど、いいことに変わり無いので……クレハと手分けして血抜きなどを行い。


 川にたくさんの猪の死体が沈んでいるのは圧巻だけど……。


 今回はまだこれで終わりじゃないんだ!!

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