【第二編完結】気づいたら息子である皇太子が目の前で婚約破棄していたのだが
前世はヒグマ
第一編
プロローグ
「ルーナリア、私は君との婚約を破棄する」
皇帝というものにようやく慣れてきた俺にとっても平凡で退屈な式典のはずだったのに、この国の皇太子である息子の爆弾発言に目の前が真っ白になりズッコケそうになった。
おいおいおい……何言ってくれちゃってんの、あいつ。
君のお相手、うちのお隣の王女様なんだけど。
……ぇ、中世舐めてんの?
まぁ中世でも近世でもなければ地球ですらないナンチャッテヨーロッパなんだけどさ。
ここがゲームで俺のデータだったら君、暗殺は出来なくても廃嫡はしちゃうよ、マジで。
まぁ、これまたゲームでもなければ廃嫡も暗殺も出来ないんだけど、なんでこうなってんのかなぁ……。
事の起こりは約一月前。
一週間の仕事の疲れ、そして妙に合わない上司への苛立ちをゲームで癒した金曜の晩のことだ。
実際のところ身体は余計に疲れたが心は癒されたから問題ない。
土曜日曜とあるしな。
「ぁー、この家も結構長くなったなぁ。ちょっとマンネリ気味だし、来週は新しい家で始めるか!」
……寝よ。
パソコンの電源を落としベッドに横になる。
寝る前にパソコンやスマホを見ていると寝つきが悪くなる、という話も聞くが俺の場合は関係ない。
すぐに眠れる。
ベッドに入って気づいたら朝、ほぼ気絶だ。
次はどんな風に遊ぼうか——。
「なぁああああああ!?」
どういうことだ。
眠りについたはずが剥き出しの地面が降ってきている!
ぁ、ちが、落ちてるのは俺——。
「あああぁグぬッ……」
「陛下っ!?」
「陛下をお守りしろ!」
「賊を近づけるなっ!」
「陛下っ、ご無事でしょうな!?」
誰かが駆け寄り身体を起こしてくれる。
身体は何とも無いが頭が割れるように痛く、俺はそのまま気を失った。
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