女装したい男、男装したい女

星之瞳

第1話俺の秘密

俺の名は、宮原比呂子みやはらひろし。え。女じゃないかって?そのまま読むとひろこだもんな。俺の親が女の子の名前しか考えてなくて、漢字そのままで、最後の字の読みだけ変えたって訳。この名前のおかけで小学校からさんざん冷やかされた。

特に酷かったのが大学の部活。『ヒロコちゃ~ん!』と呼ばれるのはまだかわいい内。練習や、試合の時も「ヒロコ、ヒロコ」と呼ばれて、他校にも間違った名前が知れるし、第一バスケだよ、女の子が混ざっているみたいで恥ずかしいったらありゃしない。

ある時、「こいつ女みたいな名前だから女装させようぜ!」と言う先輩の一言で、無理やり女物の服を着せられた。「やっぱ、無理かどう転んでも女には見えないな!」と言う冷笑を受け、俺は逆に火が付いた。「みんなが認めるような女装ができるようになってやる!!」とね。それがきっかけで女装に目覚めた訳。

バイトに精出して資金を集め、情報を集めた。

服や、メイクの仕方、いろいろなことを調べ上げ、だんだんと腕を上げていった。

女物は最初通販で買っていたが、かなり見られるようになってからは、女装して街に繰り出し、デパートの婦人服売り場や化粧品売り場、専門店に行くようになった。まあ、最初はどうなるかと思ったけど、慣れてくると仕草や言葉遣いを変え女としてふるまうことが快感になった。

卒論も、就活も、この息抜きで乗り切り、一流企業に就職することが出来た。

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