第18話 契約書2
ミランダに負けてられないわ!私も言わないと!!
「マイセンさん。私が邸に帰り次第、この契約書を正式に書きなおしてラッセン侯爵にサインして頂きます。」
ミランダに書き方だけ教えて貰って作った契約書を渡した。
「…1年後に離縁……?」
「ええ、1年間は建前上我慢します。そして子育て要員として雇われたという事にして、給金をいただきます。離縁した後は、一切私に関わらない事も約束してください。面倒なので。それ以外にも書き出してるものは全て納得頂きます。」
「……」
「難しい事ではないと思うし、ラッセン家にすれば喜ばしい事だと思うのだけど。私を選んだのも、どうでもいい扱いをしても大丈夫だと思っていたからでしょう。」
「どういう意図があったのかは、私が知る事ではありません。それにその契約はトーマ様が判断する事になりますので、私には何とも申し上げられません。」
「そうね。契約書を出すまでもなく離縁出来るかもしれないし、そうなれば即弟子入り出来るわ。」
「そうなれば、あの3兄弟は喜ぶわね。」
ミランダが話の途中に入ってきた。これ以上この話を続けても無駄だってわかったから、話をきりかえてくれたんだと思う。
「メレブ君しか喜ばないと思うけど。」
「そんな事ないわよ。シトロンも喜ぶし、それにシュートが話しかけるなんて相当よ。気に入られてるのよ。」
そうなんだ…。
「何だか家族の一員になれた気がしてしまうわ。」
「弟子入りして、シュートと結婚するとか、いいプランだと思うわよ。」
「う~ん、シュート君…同じくらいの年なら告白するけどね。」
14才にしては身長も高いし、リンダさんに似て少し気の強そうな顔をしているけど、笑ったらとても優しくなりそうだし、将来有望よ。
「え?なに、まさか本気にしたの?」
「だって、離縁してスッキリしたら再婚したいと考えてるもの。」
「そうね、応援するわ。」
2人で楽しく話していたら、今度はマイセンさんが話に割って入ってきた。
「ルーナ様、何があろうとも貴女はラッセン侯爵夫人です。」
よくもそんな事が言えるわね。
「本当の侯爵夫人は元気ですか?」
「……」
「帰ったらぜひ会わせてくださいね。ラッセン侯爵夫人に。」
私だって、嫌みくらい言わせてもらうわ。
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