第44話 悪夢を見よう
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
だからわたしは、バッド・エンドの小説を読む。
悲劇的な結末を主人公が迎えて、自分が主人公の立場だったらと考えて、涙する。
救われる未来なんて、最初からなかったのだ――なんて、悲観的な気持ちになる。
だからわたしは、バッド・エンドの小説を読む。
ベッドに潜って、膝を抱えて嬰児のようにまるまって、しくしく泣きながら眠りにつく。
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
だからわたしは、バッド・エンドの映画を観る。
悲劇的な結末を主人公が迎えて、自分が主人公の立場だったらと考えて、涙する。
救われる未来なんて、最初からなかったのだ――なんて、悲観的な気持ちになる。
だからわたしは、バッド・エンドの映画を観る。
ベッドに潜って、膝を抱えて嬰児のようにまるまって、しくしく泣きながら眠りにつく。
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
地球は自転し続ける。
世界は朝を迎え、昼を経て、夜になる。
地球は公転し続ける。
世界は寝静まり、月があくびをして、また朝が来る。
地球は自転し続ける。
地球は公転し続ける。
様々な出来事を乗せて、世界は今日を明日へ、明日を明後日へ運ぶ。
様々な出来事を乗せて、世界は今年を来年へ、来年を再来年へ運ぶ。
地球は自転し続ける。
地球は公転し続ける。
世界は朝を迎え、昼を経て、夜になる。
世界は寝静まり、月があくびをして、また朝が来る。
世界は朝を迎え、昼を経て、夜になる。
すべては様相を変えてしまって、昨日とおなじ一日など、どこにもない。
すべては様相を変えてしまって、去年とおなじ一年など、どこにもない。
なにが起こっても、なにが起こらなくても、変化を続ける世界にわたしたちは、成す術もない。
地球は自転し続ける。
地球は公転し続ける。
様々な出来事を乗せて、世界は今日を明日へ、明日を明後日へ運ぶ。
様々な出来事を乗せて、世界は今年を来年へ、来年を再来年へ運ぶ。
地球は自転し続ける。
地球は公転し続ける。
世界は朝を迎え、昼を経て、夜になる。
世界は寝静まり、月があくびをして、また朝が来る。
地球は自転し続ける。
地球は公転し続ける。
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
だからわたしは、バッド・エンドの小説を読む。
悲劇的な結末を主人公が迎えて、自分が主人公の立場だったらと考えて、涙する。
救われる未来なんて、最初からなかったのだ――なんて、悲観的な気持ちになる。
だからわたしは、バッド・エンドの小説を読む。
ベッドに潜って、膝を抱えて嬰児のようにまるまって、しくしく泣きながら眠りにつく。
そうだ、悪夢を見よう。
とびきりリアルな、人類が滅んでしまうような悪夢がいい。
エイリアンが攻めてきて、世界が結集して抗ったけれど、結局みんな死んでしまうような悪夢がいい。
そうだ、悪夢を見よう。
目が覚めたときに、今日が来て良かったと、生きていられて良かったと思えるような、悪夢を見よう。
そうだ、悪夢を見よう。
わたしは今日も生きているので、あなたと繋いだ手はほどけないけど……。
そういえば昨日の夕飯は、いったいなにを食べたっけ。
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