第15話


東海林君と一緒にカレーを作ってたけど、僕が出来ることが無くなってしまった。

お米を炊くのも東海林君がやってくれたし、なんか僕って、何にも役に立ててない気がする。やっぱり家事を覚えた方が良いかな?


「そういえば秋山、バイトとかしないの?」


「僕はしないと思うよ、特にお金に困っているわけでも働きたいわけでもないし」


「なんか秋山だったら高校入ったらすぐにバイトしてそうだったんだけどな」


「僕ならテンパって何も出来なさそうでしょ?」


「確かにな」


そんな会話をしている時に響君の方を見てみると、東海林君の妹と話していた。

東海林君の妹の名前、僕は知らないんだよね。

何なら東海林君以外のクラスメイトの名前はほぼ覚えてないし。

担任の名前も覚えてない。


「私、家でご飯食べるからそろそろ帰るね」


「分かった、今度は連絡してから来いよ」


「うん、考えとくよ」


そんな事を東海林の妹が言い部屋から出て行った。


⭐︎


妹も帰った事だし、何をしようかな。

とりあえず俺と響、秋山は部屋の椅子に座っているが、やることが無くて何もしていない。

響の方を見てみると、首元に何か傷跡みたいなのがあるな。

アザもあったし、聞いてみたいけど、秋山の時みたいに逃げられたら聞けないしな。


「響ちょっと一緒にソファの方に来て」


「うん…良いよ」


俺が先にソファに座り、響を膝の上に座らせて、後ろから抱きしめる感じで捕まえた

これで逃げないでしょう。


「東海林君、響君が可愛いからって襲っちゃダメだよ」


「それなら先に、秋山を襲っていると思うのだが?」


「たしかにそうだね」


「それで響、気になってる事があるんだけど」


「…なに?」


「何であざとか傷跡があるの?」


「…⁉︎」


「響?」


「なんでも…無いよ」


「転んだとかならあざは出来ても、首元に傷跡は出来ないと思うんだが?」


「言わないと…ダメ?」


「うん、言わないとダメだよ」


なんか子供に説教している気分になって来た。


「……」


「分かった、家に家族とかいる?」


「…いる」


「家族に何かされてる?」


「……うん」


「東海林君、結局の所どういう事?」


「秋山は、同級生に虐められてただろ?」


「そうだね」


「響の場合は、同級生とか学校の奴じゃなくて家族に虐められてるんだろ」


「あ、なるほどそういう事か〜」


「とりあえず響は今日、泊まって行くのは決定な」


「怒られる…気がする」


「誰に?」


「父親に…怒られる」


「大丈夫、なんとかなる」


「………」


とりあえず目の前にいる響を撫でておくか。

最近結構な頻度で、撫でている気がする。

まぁ良いか。嫌がってもなさそうだし。


「東海林君、響君はどこに寝かせるの?」


「どうしようかな。響、布団かベッドどっちが良い?」


「どちらでも…良いよ」


「なら後で考えるか」


「響君もここに住ませようよ」


「俺は別に良いけど、俺の親に許可を取らないとな」


響は一人暮らしするかここに住ませるかのどっちかにしないと、いつか死にそうだな。

てか家にどんどん人が増えて行ってる気がする。

秋山も何か住み着いてるし、地縛霊かな?


後書きさん


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