第10話 日常

秋山が家に泊まった日から何週間か経ち、学校生活も慣れてきた。

相変わらず学校には教科書とノートを持っていかず何を学んでいるか分からない状況ではあるが、多分大丈夫だろう。


そんな俺は現在部室にいる。

部活には先輩二名と、俺、秋山、響が所属している。

残念ながら先輩二人はイチャイチャしているだけで、いつも何もしていない。


俺と秋山、響は暇すぎて、UNOをしている。

俺の家にあったので持ってきたのだが、案外やってると楽しくてずっとやっている。


「秋山、最近何日連続で俺の家に泊まってるっけ?」


「1週間連続で泊まってるね」


「何かいつのまにか、俺の部屋に荷物置いてあったんだけど」


「東海林君の両親から泊まって良いと、了承を得てるから」


「家に帰らなくて、親は心配してないのか?」


「心配してくれるのは、東海林君だけだよ」


「確かにな」


秋山の親は放任主義で、ほとんど秋山に興味ないんじゃ無いかと、思うほどに何も言ってこないし、何もしない。

だから俺の家にずっといるのかも知れない。


「二人は…いつから仲良いの?」


「中一くらいからかな」


「そうだね、その時から僕は東海林君くらいしか友達いなかったけど」


「高校に入ったんだから友達作りなよ」


「私も…友達居ない」


「何でこんなに友達居ないやつが多いのだろうか?」


普通に過ごしていれば友達なんて、少しずつは増えていくと思うのだが、なんか知らないがこの二人は今の所友達が増えている気配はしない。

毎日放課後にはこの部活に入り浸ってるレベルだしな。

もう救いようが無いレベルまで俺たちは来ているのかも知れない。


そんな事を考えていると部室のドアを開ける奴がいた。


「智樹いる?」


「部長なら、そこでイチャイチャしてます」


「ありがとう、君達はこの部活の部員?」


「届けを出したんで、そう言う事らしい」


「そうなんだ。後少し智樹と、玲奈を借りていくね」


「イチャイチャしてるだけなので良いと思うよ」


秋山も結構そんな事を言うやつになってしまったな。

まぁ本当にイチャイチャしてるだけだから良いと思うけど。

後、響と関わって分かったのはめちゃくちゃ響は人見知りなので、初めての人はほぼ喋れないみたいだ。

本人から聞いたが俺と秋山と喋れたのは、この人たちやばいと言う感情が勝っていたみたい。失礼な話だな


「おーい、智樹、玲奈少しこい」


「あ、生徒会の雅さん」


「何の用事ですか〜」


「来たら話す」


そう雅は言い、智樹と玲奈を連れて行った。

あの人生徒会の人だったのか。

とうとう何もしてないから怒られるのかな?


「あの人達…連れて行かれましたね」


「まぁ居なくなっても変わらないし良いんじゃ無いかな」


「僕、響君、東海林君全員あの二人に対してあたり強いよね」


「まぁイチャイチャしてるだけで何もしないからな」


「部長らしい…事を一切しない」


「部費って何に使ってたのかな」


「秋山は知らない方が良い」


「これからは普通に…本を買おう」


「本だったら俺の家にあるし活動場所ここじゃなくて良く無い?」


「確かに、東海林君の家の方が僕は都合が良いね」


「私も行って…みたい」


「なら今から東海林の家に行こう」


俺の家に行く事になったので、片付けて俺たち三人は部室を出る。

部室の鍵は持っていないので、このまま開けっ放しで良いでしょう。

あのイチャイチャ二人組が帰ってくるだろうし。


後書き


たまにはこんな回も欲しいよね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る