第78話 機械姫
分かりにくかったのでしました。
☆☆☆☆
国際カンファレンスに『機械姫』が参加する件
1
正直な話、煉くんとかが参加するよりユラ様が参加する方が驚いた
2
どうせなら『剣姫』もでて欲しかったけどね
3
いやあの人はちょっと
4
あの人、強い人に対決申し込んでぼこぼこにするからなー
5
あの人が唯一参加した国際カンファレンスで、当時世界最強のクランマスターだった人を倒して以来出禁じゃなかった?
6
それは都市伝説だろ。まあクランマスター倒したのは本当だけど
7
仁王鈴と川本ユラがまだ女子高生だった頃の逸話だ。
8
あの2人、逸話多すぎだろ。2人が立ち寄ったダンジョンは、数日後にはクリアされるとか
9
そういえばドイツの大規模ダンジョンがクリアされてニュースになってたな。何か2人の目撃情報もあった
10
流石、ダンジョンクラッシャー笑
11
そんな2人の日本離脱を経験しといて、日本の体制ってあの頃と何も変わって無いのな
8
どういうこと?
9
昔、その2人にやってた仕打ちを今、煉くんにやってるってこと。
何か問題が起こったら対処させて、まあ簡単に言えば協会の尻拭いをさせ続けてたんだよ
10
あの当時、ダンジョン配信とかメジャーじゃなかったし、あの2人も全然有名じゃなかったから、ほとんど問題にもならなかったんだよね
11
あーね。確かに煉くんのことも煉チャンネルが始まるまで知らなかったわ
12
だから協会も歯止めが効かなくなって調子乗ってたら、突然2人が日本から出てっちゃったんだよ
13
今じゃ世界最強って言えば真っ先に名前が上がるのがあの2人だからね。
あの子たちが日本にいたら今、日本はダンジョン弱国なんて呼ばれてなかったかもね
14
まあでも、あの2人が世界的に活躍しだしてから日本の制度も変わって行ったよね
15
切欠にはなったな
16
でも探索者協会とか政府の根幹は変わって無いもんな。それが煉くんの騒動で色々と浮き彫りになってる。
17
煉チャンネル無かったら煉くんも日本去ってた可能性が?
18
あったかもな。というか今なおその可能性は十分あるぞ
19
普通にあるから怖い
20
これで煉くんが去ったらまじで日本が弱国から脱却できる日はこないだろうね
―――――――――――――――
日本に帰国した煉は、海底神殿で採取してきた資料を持って来栖を研究室を訪ねていた。
「それじゃー解析しとくよ。終わったら結果はメールするでいーい?」
「はい。よろしくお願いします」
「わかったー」
来栖はスキルオーブを解析した実績がある。すぐにこれらの資料も解析してくれるだろう。ただスキルオーブのときと違い、この資料の内容以外煉は要らないので資料は全て来栖に譲渡し有効活用してもらう。
「それにしてもーこの『海神蛇の恩寵』は天然モノなんだね」
「はい。何かグラルやヴィーナスと感じが似てますね」
「うーん。どちらかといえば、天然モノを真似て作ったから逆かなー。まあ関係ないスキルが付与されてる装備自体がー少ないけどね」
ダンジョンの素材から装備品を作るとスキルが付与されることがある。しかしそれらの多くは武器の性能を高めるスキルや装備者の能力を高めるスキルであり、それらのスキルは装備品自体の特徴や素材の特徴に由来することが多い。
例えば剣に『切れ味強化』がついたり、炎属性のモンスターの素材で作った装備に『炎耐性』がついたりである。
しかしドロップアイテムなどで手に入る装備などの中には、装備品の特徴や使われている素材に関係ないスキルが付与されている場合があり、来栖はそれらを参考にグラルやヴィーナスを作ったのである。
「それにしても『妬心』かー。あ、そういえば久しぶりにユラから連絡があったよー」
「…ユラさんから? 何かあったんですか?」
「この前、ドイツの大規模ダンジョンを攻略したら、スキルオーブが出たんだって」
「ドイツ…『忍耐』ですか?」
煉は前に協会長から聞いた中に『忍耐』の情報もあったのを思い出す。
「そうらしいーね。いつも通りベルちゃんと2人で潜ってたらしいけどー、ベルちゃんが一刀両断できない敵だったから楽しかったって」
「ベルちゃんって、そう呼んで怒られないの来栖さんくらいですよ。
「呼んでみればいいのにー」
「昔呼んでみたら地獄見たんですよ」
「まあベルちゃんはー照れ屋だから」
「照れ屋?」
自身の持つ鈴のイメージと来栖の持つイメージがかけ離れていることだけは理解する煉は話を戻す。
「えーと、『忍耐』が何でしたっけ?」
「スキルオーブをユラさんが使ったら『忍耐』を習得したんだって。そしたら死にかけたらしいよー」
「はい?」
煉が聞いた話だと『忍耐』は発動すると動けなくなるスキルであり、これまでの原初スキルの中で一番デメリットが少ないと感じていたスキルである。
「何か、『忍耐』は出力に応じて動けなくなる範囲が高まるんだって。それ知らずに最高出力で発動したらー心臓も肺も止まっちゃったんだってー」
「あー、あの人冷静そうに見えて結構考え無しですもんね…あれ、でもあの人なら大丈夫じゃ無いですか?」
「そうそう。結局自動で『機械姫』が発動されて助かったって。脳まで止まってたら死んでたって笑ってたよ」
笑い話ではないのだが、彼女がそういう話を軽くする姿は容易に想像できる。
「…冗談がキツいですね」
「ねー。でも最高出力ならベルちゃんの攻撃も耐えられたらしいし、『機械姫』発動と併用すればデメリットも緩和できるから、相性いいって言ってたよ」
「鈴さんの…それはヤバイですね」
「ねー、あと煉くんのグラルとヴィーナスの話したら凄く興味を持ってたよ。特にベルちゃんが戦いたいって」
「鈴さんとか。攻撃が通用するビジョンが全く浮かびませんね」
「まあ現最強の人だからね。でも今の煉くんなら良い勝負はできると思うよ」
「そうですかね。そういえば、ユラさんは兎も角、鈴さんも国際カンファレンスに参加するんですか?」
「多分しないんじゃない? あそこはそういう雑務は全部ユラさんが担ってるし」
「ああ、まあそうですね」
煉にとって鈴は師匠のような存在である。だからこそ鈴が大人しくカンファレンスに参加している様子は想像できなかった。
☆☆☆☆
鈴を来栖がベルちゃんあだ名で呼んでます。初だしのキャラクターにやることじゃ無いのですが許してください。
2人はずっと出したくて、でもぐずぐずしてる内に出すのが遅くなってしまったキャラなので、もし既出の描写と矛盾があったらすみません
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます