第27話  友人2人の生配信

 とある配信がスタートした


「はい、こんばんは。『氷天華祭』の特攻隊長ことまつりんです。そして」

「煉チャンネルで編集などを担当してます、友人くんです。よろしくお願いします」

「友人くんってww 配信名それでいいの?」

「それで浸透してるからね」


【始まった!】

【待ってたよ】

【語ってくれ!】

【友人くん、顔出ししてくれて良いよ】


 突然の生配信であったがかなりの数の視聴者が集まっていた。


「顔出しはしません。ごめんなさい」

「ぷぷ、変なプライドだー。と友人くんをからかうために配信を始めたんじゃ無いんだった。今日はメインチャンネル氷天華祭でアップした動画について質問が凄かったので、その中の幾つかに答えて行こうと思います」


【全部答えてええんやで】

【お願いします】


 煉と氷華のコラボ動画を投稿すれば、質問やら何やらでプチ炎上するくらいは予想していた。そのためアップの日に質疑応答の生配信をやろうと計画していたのだ。


「それでは1つ目は、4人の関係性をざっくり教えてください、だそうです」

「ざっくりというと、煉と氷華さんの親同士が仲良くて幼稚園入る前から交流があって」

「私と氷華、煉とゆう、じんくんが小1か2年生のときから仲良くなって、私と友人くんは煉と氷華がよく一緒にいたから自然とって感じだね」


【ちゃんと幼なじみ】

【そんな付き合い長いんか】

【確かに深い付き合いなんだろうなってやり取りは感じ取れたな】

 

「次は、友人くんを除くお三方はなぜ探索者になっているのですかかー、私と氷華は煉に誘われたからだね。友人くんも誘われてたけど断り続けてたよねー」

「別のことに興味があったからね。それで煉は…取り敢えず僕が初めて会ったときにはダンジョンにしか目が無かったと思うよ」

「あーね。前に氷華もそんなこと言ってたね。ダンジョンのことを話してない頃の煉を知らないわって」


【やっぱり煉くんの影響か】

【そんな幼少期から変わらずっていったい何があったんだ】

【遺伝子にダンジョン愛が組み込まれているだろそれ】


「懐かしいよね『もし何かあれば俺が助けてやるからさ』って台詞」

「ああ、そうだね。あの頃はなんだその無駄な自信はって思ってたけど、今考えると煉に助けられながらなら誰でも結構なレベルの探索者になれるな」

「そうかも、それで3つ目の質問、今回どうやってあの煉くんとコラボをってのの答えは、煉がいまだに小学校時代の口約束を守ってるから、ダンジョン関係で困ったって言えば煉が助けてくれるの」


【めっちゃ義理堅い】

【国内トップの探索者の手助けをいつでも受けれる権利はヤバい】


 サクサクと質問に回答していく2人。本来なら祭と優弥ではなく、煉と氷華でやる方が視聴者の需要にマッチしているだろうが、供給側が間に合っていないのでしょうがない。

 反応も上々であり、4人の関係性をしっかりと示すことが出来た。今後、2つのチャンネルでコラボしたところで炎上することはないだろう。煉がコラボ動画にどこまで協力してくれるかは不明だが。


「さて、それじゃあ他の質問は――」


 その後も祭と優弥は、昔話に花を咲かせつつ、質問に答えていくのだった。


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