目覚めの天井
@monochros
見知らぬ天井で目を覚ます女
前編(1)
目が覚めると、そこには見覚えのない天井があった。寝ぼけ眼をこすり、ゆっくりと起き上がる。古臭い木造の部屋にいるみたいだけど、ここはどこだろう。やけにほこりっぽい。
ベッドのほかにはクロゼットや机、いすといった最低限の家具に、扉が2つというような質素な部屋。記憶にはない部屋だけど、どこか懐かしさを感じる。正面の扉を開いてみると、そこにはキッチンとお風呂場が、もう一つの扉を開くと長い廊下が続いている。廊下の先がどうなっているのかわからないけど、最悪この部屋だけでも一通り生活はできそう。だけど、こんな部屋で暮らしていた記憶は全くない。
まずは、覚えていることを確認しよう。私の名前は
だとすれば、ここは病院の施設?それっぽくない気はするけど、療養中ならこの部屋から出てもいいものか悩ましい。勝手な行動は控えるべきか。でも、こんなに自由に動けるのに、出ちゃだめなら扉に鍵くらいかけるでしょ。ここにいてもどうしようもなさそうだし、外に出よう。
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