フィナーレを飾る花束

たから聖

第1話 サヨナラは花束を……


『……ホントよ。』

私達二人は、付き合って8年になる。結婚の話もチラホラ出てたけど、なかなか踏み切れずに居た。



冬弥とうやは…文句なしの性格と容姿だったが。

わたしは…何故か結婚の事になると不安になってしまっていた。


そんな時……


年下の男の子との出会いがあった。初対面の時は……

友達同士の集まりで飲み屋で話していたが、


なかなか馬が合うのだ。


そして……帰り際



ゆみさん。俺と付き合って下さい。』

と年下のジュン君に告白された。私は冬弥とうやが居たけど……


返答に困った挙句……



YESと言ってしまった。

そこからは、ジュンと沢山遊びに出掛けた。


冬弥とうやの事も気になったが……次第に心の温かいジュンを選んでいる自分が居た。



久しぶりに冬弥とうやから連絡が入る。会うことになったが、


冬弥とうやに私は別れを切り出すつもりでいた。




2人でラウンジのバーで

隣同士に座り、乾杯をすると……

冬弥とうやは…

見慣れないモノを出してきた。




ゆみコレ…受け取ってくれるか?』

何カラットあるんだろうか?


相当無理して買ったんだと伺える。だけど……私の気持ちは、

冬弥とうやには無かった。



指輪を見て、気持ちがハッキリしたのだ。



私は冬弥とうやに別れを切り出すと冬弥とうやは驚いた顔をして、


『ウソだろ?』





私は絞り出すかの様に声を出す。

『ホントよ。』


8年間、、、色々あったよね?



冬弥とうや覚えてる?告白した時の事を……


だけど…私達

これで良かったのよね?……と


返事の無いのが分かっていながらも、質問を投げ掛ける。


そう責めても良いんだよ?





だけど……あなたは笑ってた。







ジュンとの挙式当日、

冬弥とうやに五分だけ逢えないか?と頼まれた。



私は最後だから……と

約束の場所へと向かったのだが……


大きな大きな花束を持った冬弥とうやが待っていた。



冬弥とうや??!』

私は驚いたが、満面の笑みを浮かべて冬弥とうやは…最後の

冬弥とうやからのプレゼントをもらった。





私の好きな……カラーの花束。

何本も何本も数え切れないくらい。



冬弥とうや……。』

冬弥は私を力強く抱き締めながらも、肩が震えていた。



『幸せになれよ。な?』



私達のフィナーレを飾る花束は…

白いカラーの花束だった。




ありがとう冬弥とうや

貴方はソウルメイトみたいな

人だったのかも知れないわ……。





タクシーに乗り式場へと移動中に

涙が沢山溢れてきた。



私は1人つぶやいた。







END



P.S 白いカラーの花言葉は

《清純》を表す。

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フィナーレを飾る花束 たから聖 @08061012

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