第7話 嫉妬
「クソッ。なんなんだ!」
高塚さんは何であんな話を俺にしたんだろう……。
あの日以来、夜布団に入ると高塚さんの話したことで頭の中が荒らされて眠れない。いや、夜だけじゃない通勤電車の中でも、仕事中でも頭の中を占領されている。
悩んでいるわけじゃない。何故か怒りに似た感情に近い。この感情を収めようと、高塚さんが受けた心の傷を理解するように理論的に自分に言い聞かせても、気付くと怒りのような感情に
どうして簡単にその男たちを受け入れたんだ。どうして最初から信じ込んでしまったんだ。俺はまだ高塚さんとパスタを食べて、カフェでコーヒーを飲んだだけなのに、その男たちは高塚さんの
俺にはあんな話をして、慎重なくせに……。俺はその男たちより劣っているのか……。
そうじゃない、そうじゃない事はわかっている。高塚さんはいままで心の奥にしまっておいた辛い出来事を俺に聞いて欲しかっただけだ。俺を頼ってくれたんだ。そんな事は分かっている。分かっているけど……。
「今夜も眠れない。もう忘れたい!」
何で俺は高塚さんに怒っているんだ?
いっそのこと、俺も他の女と一晩を過ごせば、気がまぎれるのか?
違う……。やっぱり
俺と出会う前のことだから、俺が
高塚さん、君は何かが
だから、男たちとそんな経験をしていたなんて、ショックだった。勝手に俺が都合の良いイメージを持っていただけなんだけど……。どうしてか、許せない。
本当に俺は
明日、高塚さんに話をしよう。こんな状態で、まともに話をすることが出来るか分からないが、正直な気持ちを話そう。
つづく……
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