第28話 配信世界での活動結果1

 この世界の一日探索を終えて、自分の劇場へと帰ってきた。人それぞれ個性豊かな劇場が見れて、レイジちゃんとの出会いもあって、リフレッシュ出来たので気分も良くなった。

 そもそも、この世界に来て肉体を捨ててるはずなんだから、気分による体調変化しかないのかもしれないよね。視覚が振り回されて体調不良になったから、肉体的な影響がゼロでは無さそうなんだけど……まだまだ謎ばかりだ。

 気分よくぐっすり眠れば万事解決すると思う。この睡眠も謎なんだけどね。


 一夜明けて気分は完全に元通り、今日は配信するよ? 何しようかな? 病み上がりと言えば雑談かサンドボックス系のゲームだよね。そんな決まりはないけどね〜 ってなんかわたし変なノリだね。ちょっとテンション高いのかも。

 そういえば、幾つか確認しておかないといけないことがあったね。レイジちゃんにも言われたけど、SNSの噂とか切り抜き動画とか収益化とか。


 まずは収益化から確認しよう。

 配信を始めた者がまず目指すところであり、本当のスタートラインとも言える、それが収益化!

 ……だと言うのに、わたしはこの世界に入ってしまったから、その感動が薄いんだよね。何せ、この世界に入れたことの方がわたしの中では凄いことだから。現実世界に居たらもうちょっと感慨深いものがあったんだろうね。配信者の皆さんにはちょっと申し訳ない。

 でも、これもありがたく享受しよう。この世界を楽しんで生きていく決めたからね、使えるものは使っていきたいと思う。

 と言ったものの、お金があんまり要らないんだよね……いや、でも、アバター制作とかライブ2D制作とか楽曲制作とか動画制作を誰かに依頼するなら、無いと困るのがお金だよね。それなら収益化は必須だね。


 ということで、収益化申請のページを見に来てみれば、確かに申請可能な状態になっていた。レイジちゃんの言う通りだね。

 早速、申請をしてみると……わたしの部屋の天井付近に突然現れる紙飛行機! 古の時代からメールの着信を報せるのは紙飛行機と決まっている。知らんけど。

 紙飛行機はわたしの手元に降りて来て、早く開けろとばかりにカタカタと揺れている。恐らく申請の受け付けメールだろうね。こういうのはホントすぐに返ってくるからね。

 紙飛行機に請われるままに開封して中身を確認した。


「収益化が完了しました。以下の手順に従って設定をしてください──」


 早過ぎるでしょ!! 審査どうした!? みんなこんなものなの?! 何なの? わたしが運営元に住んでるの知ってるからなの? それなら良いけどさー なんかもっとこう審査待ちのドキドキみたいなのないの?

 ふぅー……

 風情も余韻も無く収益化が完了してしまった。

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