第18話 配信世界で現実に酔う1
「こんハイル〜」
はい、やってきました今日の配信。
配信は開始のあいさつをすればあいさつが返ってくる素敵な世界です。住んでるマンションで人とすれ違うときにあいさつしても返って来ないことが多々あったけど、ここではちゃんと返ってきます。いつも3〜4人しか居ないからそんな気持ちでいたけど、今日は返ってきたあいさつがいつもより多いね。うみちゃんの影響力はスゴすぎるよね。
「これまでわたしは色んな世界に行ったけど、そういえば現実に行ってないことを思い出したのでね、今日は世界を回ってみたいと思います〜」
拾われたい落穂「せやね」
撒かれたい種「VTuber現実忘れがち」
響き渡る鐘「そのゲーム現実だけど結局非現実では?」
混沌極める街「初見です」
干された時計「歌みたから来ました」
少女が巻いた青ターバン「切り抜きから来ました」
「へー、今日は初見さんも多いんだね……え? 切り抜き!?」
は? わたしの配信が切り抜かれるの?? そんな要素あったっけ? 歌みたは分かるけど……
響き渡る鐘「短文SNS見てないの?」
拾われたい落穂「ハイルちゃんだからね」
撒かれたい種「ハイルちゃんだもんね」
「あー……最近SNSは見てないね……仲良し3人組さん、なんか知ってそうだね?」
この世界に来てからメールもSNSを見てないんだよね。どんな風に見えるのか、また見に行ってみたいな。
でも、今はそれより、切り抜きのこと。
拾われたい落穂「ニヨニヨ」
撒かれたい種「仲良し3人組て……」
響き渡る鐘「認知されてる!」
いや、人数少ないんだし、覚えてない方がエグいでしょ。
で、3人ともわたしの反応を楽しんでて、答えてくれなさそう……
「んー、今は配信中だから、後で見に行くね。はい! じゃあ、ゲーム始めちゃうね〜」
混沌極める街「スルーされてて草」
拾われたい落穂「スルー助かる」
撒かれたい種「さすハイル」
響き渡る鐘「ハイルちゃんだね」
干された時計「むしろ納得してるのが草」
気にはなるんだけど、今確認するのも悪いかなって……
はい、なので、配信画面にゲームを映して、チュートリアル開始。
そして、映し出されるのは見知ったタワー。
「おー! これは知ってる! フランスのあれだよね? 海外からも観光客が訪れるような場所だね」
地図も比較的近くをピックアップされてるからすぐに探すことが出来た。
ただ、その場所から一切動けなかったからか、せっかくバーチャルな世界に住んでるのに、モニタを見つめてる時と同じような感じで、写真を見せられてるだけだった。残念……
チュートリアル一個目だからね。気を取り直してつぎつぎ〜
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