第4話 配信世界で出来ること
配信部屋に戻ろうって思ったら、客席から直接
こうなると、一体、この世界でわたしは何が出来るのかが知りたくなってくる。
起きて30分ぐらい経ったような気がするけど、生理現象的な問題は起きていない。食事も睡眠もトイレも不要になってしまったかもしれない。だから、色々と検証はしておいた方が良さそう。不安もいくつかあるし。
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一日かけて色々調べてみた。せっかく調べたのに、検証してみた動画に出来ないのが残念だよね。でも、今後に役立つことが色々と分かったので良しとします。
少なくとも一日経ったけどご飯は食べなくても平気みたい。でも、食べないのも文字通り味気ないから何か食べたいなと思ったんだけど、キッチンでの料理の仕方がわからなかったんよね……とりあえず、少なくとも半日以上経ってもお腹は減らなかったことは分かったんよ。
次は、何となくお風呂に入ろうと思って、お風呂を入れてみた。そしたら、お風呂にお湯を張れたし普通に服も脱げた。服とか柔らかいし、脱いだ服が不自然な形で直立したりしないんだよね。水もちゃんと液体だし、水面の光の反射も意味わからん値段のグラフィックボードでも表現無理なぐらい現実っぽかった。温度も、熱い・温かい・ぬるい・冷たいがしっかり分かったし。これはただの現実なのでは?
ただ、本来火傷するようなお湯でも「熱いな」ぐらいに感じて、強い痛みを感じるようなことはなかった。間違って60度のお湯をシャワーで浴びちゃったんだよね……失敗失敗。
身体の詳細な点検結果は省くとして、食べないでも問題ないけど、食べても飲んでも問題ないことも分かった。お風呂で水を飲んでしまったけど全然問題なかったし、その時に味がすることも分かったんよね。
でも、やっぱり現実では無いと感じる部分もあった。
モデル作成ソフトを使う感覚で、服を作ったり小物を作ったりするのは簡単に出来るようになった。なにせソフトウェアの操作が思った通りに動くから、めちゃくちゃ早く操作できる。あと有り得ない高解像度なんよね。服とかテクスチャを設定したら繊維まで感じられるの。なのに、そんなリアルな物が、こんなの作ろって思ったら、空間から湧いて出てくるという……フシギダネ〜
というのも、お風呂上がりに着てた服そのまま着るのもイヤだなと思って……一応下着とかもあるし? だから、作ってみようと思って│
それで、服を作る続きで、他にも色々なものを作ってみたんよ。その中の一つに料理もある。そんなの作ったことあるのか?って思われるかもだけど、食べ物って絵画空間を作る上では欠かせない要素なんだよね。フルーツは良く出てくるからこだわって作った時期もありました。ここまでの検証から、食べ物への期待も高まるよね。お風呂の水ですら美味しいんだから。
はい、やっぱり美味しかったです。ただ、鍋に入ったシチューという形を作ってからテクスチャでシチューっぽくするより、普通にシチューを作るように、具材とか別々に作って切ったり味付けした方が美味しいものになったんだよね。料理しろってこと? 現実かな? カップ麺やカロリーバー、たまの贅沢デリバリーフードでも良いじゃん!
わたしはこの世界に来て、道具を使わずに何でも生み出すせるようになったみたい! まるっきり魔法だよね。ハイル、魔法使いになっちゃった。お陰でここが仮想空間だということが良く分かったよ。
となると、現実の自分がどうなっているのか……身寄りのない一人暮らしだったし、知り合いはオンラインばっかりだったから、あまり気にしなくても良いような?
ここに来たことで、肉体が消えてしまったかもしれないし、寝ているままなのかもしれないし、死んでしまっているかもしれない。でも、この世界から現実に戻る方法も今のところ分からないし、戻りたいとも思わない。だから、わたしにとってはこの身体が大切。
わたしの意識はこの世界にあるのだから、この世界の自分の方が今は大事なんだよね。
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