きっと明日の朝
空殻
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6時半に枕もとのスマートフォンのアラームが鳴る。
スヌーズ機能で二度寝をしようとするが、意識が明滅している間に次のアラームが鳴って結局起きる。
カーテンの隙間からわずかに差し込む光から、嫌でも朝だと分かる。
ああ、太陽が恨めしい。
上半身を起こして、カーテンを引き開ける。一気に光が入ってくる。
目に毒だ。
肌寒いが無理やり布団から抜け出して、洗面台に向かう。
冷水で顔を洗う。割れた指の節に水が少し染みるが、その痛みもあってようやく覚醒する。
電気ポットのボタンを押し、お湯を沸かしている間に着替える。
テレビをつけてみると、比較的暗いニュースが流れている。
着替え終わる頃にちょうどポットのお湯が沸くので、マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れ、お湯を注ぐ。
インスタントとはいえ、コーヒーはいい。朝の重要な構成要素だ。
コーヒーの湯気を眺めて、今日一日が始まることをようやく受け入れることにする。
ちびちびとコーヒーをすすりながら、食パンをかじる。だいたいいつも同じジャムをつけているので、たまには変えようかなと思うが、どうせ明日には忘れている。
食べ終わって、カップと皿を洗う。またあかぎれに水が染みる。
7時半。コートを羽織り、カバンを持って、靴を履く。
ドアを開ける。太陽の光。
本当に恨めしい。
きっと明日の朝 空殻 @eipelppa
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