新たな少女
「残念なお知らせがあります。既にニュース知ってる子もいるかもしれないけれど古島さんが事故で亡くなりました。黙祷を捧げたいと思います。.......黙祷。」
担任の声に従って冴を含む生徒全員が目を閉ざして俯く。冴の頬を涙が伝った。
「新島の所為だね〜っ!」
ひなきは担任の作田が去るなり冴に寄りニンマリと笑った。絶望した表情だった冴がひなきを睨む。
「何で顔であたしを見たんだよ。自分の立場わかってる?あんたが殺した。
古島のことも........あの子達のこともね?」
「私じゃないよ。私は悪くない.....。だって私は可哀想なんだから、、。」
「言ったろゴミ女。」
ひなきはどこからかゴミ袋を取り出して中身を冴の頭の上に散らす。
家から持ってきたもののようだ。
何日分溜まっていたのか、少なくとも1ヶ月は家にあったであろう量が冴を襲う。
「うわー、くっさ。死ねば?
生きててもいいことないよ〜?」
「.......ニチカちゃんを殺したこと許さない!
聞いたんだから、使手さんが誰かにニチカちゃんを殺してってお願いしてる電話。」
勇気を出した冴にひなきは嘲笑を向ける。
自分は教師から優遇されている、対して冴は教師からも鬱陶しく思われている。
そのことへの余裕からの表情なのだろう。
「だから何な訳?あたしがお願いしたから何?言いつけたり出来ないよね、嫌われてんだし。あたしは無実だよ、手下してないもの。通信履歴だけじゃ証明にもならないし。」
冴は唇を噛み締めた。
ひなきに思い切り蹴り飛ばされる。
「ゔっ.....痛い、やめて。」
「はいはい良い子良い子〜。」
助けてほしい等という願望など一切聞き入れる気配もなくひなきは続ける。
苦痛に歪む冴の顔にうっとりしながらより激しく殴り蹴り罵倒した。
「やめなよ、ずっと前から情けないわね。
ナナが助けてあげる時が来たみたい。」
「......貴女は、古屋さん。どうして、、。」
「来て。新島さん。」
古屋という少女に手を引かれながら冴は全力でその場から逃げ出した。
「助けてくれてありがとう、ございます?」
「知ってると思うけどナナは
新島さんを助けてあげたくて来た。」
〜使手ひなき〜
「ただいま。」
「誰っ!?またひなこに何かを......。
もうやめてよ、。助けて下さい。
やめてやめてやめてやめてやめてやめて」
「ママ。あたしだよ、大丈夫。
またひなこのこと思い出してたの?
平気だよ、パパが邪魔者を殺してくれたしこれからあいつをちゃんと壊すから。
安心して待ってて。あたしがこの家に笑顔を取り戻してみせるから。」
ひなきの左目から大粒の涙が溢れ落ちた。
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