空瓶
七瀬
第1話
空瓶
Thursday
そっとエンジンをかけて再び走り始めた。
空は月と太陽が交差して、明るくなりかけているが、街はいっそう寒くなるばかりだ。
そういえば、この間の土曜日に、小学校時代の友人に会ってきた。彼女が音楽ライブを行うっていうんで、こっちのライブの参考にするついでに見に行ったというわけ。
それなりに盛り上がっていたのは感心しちまったけど、コールだとかっていうのが僕は苦手でね、タオルなんかも持っていなかったし、ハンカチを振り回すわけにもいかないだろ?だから、ずっと拳を握って、人差し指から小指までの第二関節を天井にぶら下がるミラーボールに見せつけていたんだ。
事前に話はしていたけど、彼女に声をかける前に帰っちゃったな。
空瓶 七瀬 @karanobin
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