第3話・告白の話

太「実俺はツヨ子の事が好きなんだ」


筋「そんなん見たら誰でも分かるだろ」


太「え、本当?クソ・・・どうすればいいと思う?」


筋「まあ、とにかくラブレターでも書いときゃいいんじゃねーの?」


太「そっか!そりゃ名案だ!」


太腕ノ助はラブレターを書こうと文房具を取り出す。しかし指の力があまりにも強すぎて、鉛筆を手に取った瞬間真っ二つに割ってしまう。


太「くそったれ!」


筋「まぁまぁ落ち着けって。ほら、俺の鉛筆使いな」


太「助かるぜ、フレンドリー・ボーイ」


太腕ノ助は筋次郎から鉛筆をもらい、先が削られていない事に気がつく。腹筋に力を入れてから、鉛筆をヘソに差し込みグルグルと回す。大理石のように硬い巨躯のとてつもないパワーによって、鉛筆は削られていく。


『ツヨ子ちゃん、あなたは とっても かわいくて すてきです。

めが おおきくて かわいいです。 しとう筋も おおきくて かわいいです。

つきあってください。 いっしょに 筋とれ しよう。』


書き終えた手紙を丁寧に封筒に入れた後、昼休みの間に太腕ノ助は封筒をツヨ子の下駄箱に入れる。授業後、皆が帰る準備をしている間、太腕ノ助はツヨ子に話をかける。


太「なぁ、話あるんだけどさ・・・体育館の中で待っててくれない?」


ツヨ子「あら?よく分かんないけどいいよ」


体育館に入る太腕ノ助。ツヨ子はバーベルスクワットをしながら待っている。太腕ノ助の想いに気がついたのか、顔が少し赤くなっている。彼が登場したのを見るや否や、ツヨ子はバーベル(160キロ搭載)を床へ投げ捨てる。


ツ「ああ、太腕ノ助君・・・!どうしたの?」


太「あのさ・・・俺はさ・・・」


いきなり天井が壊れて、宇宙船が二人の間に落ちてくる。宇宙船の中から、ドラゴンが飛び出る。


(数分後)


太「とんだ一日だったぜ。エイリアン龍は襲来するし、FBIに絡まれるしで、結局告白するタイミングを逃しちまったんだよ・・・」


筋「告白?ラブレターにするんじゃなかった?」


太「ああっ・・・!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る