第八話 魔法少女オタクは魔法少女となる
「あ、あ、あ………」
クモは小学生らしき少女まで狙う。ガシャンガシャンと大きな牙を開閉させ威嚇していく。
少女は怯えて声を漏らすしか出来ない。
「壊れてないよ。いや、壊させない!」
それを見た烈太は強くディリハの持つ機械を握った。
「やる気になったか。ブローチのダイヤルを回してクリアパーツを出したまえ」
「こうか?」
烈太がカチッとダイヤルを動かす。
「ボタンを押せば変身だ」
「分かった!」
ガチッと強くボタンが押され烈太の姿が変わり目の前にステッキが現れる。
「なるほど、こいつで戦えってか!」
『え?』
その姿を見て祐子と隆が目をひんむく。
烈太はステッキを取ると少女の前に飛び彼女を抱き上げて距離を取る。
『えーーーーーーーーーーー!?』
祐子と隆は大きな声を上げた。距離が出来たからこそ烈太の変身の異様性が見える、感じる、伝わるのだ!
その姿は赤い炎を象ったフリルのついた黒ラインが真ん中に配され、胸元には大きなリボンがある。髪は赤褐色ツインテールになり変身前の波打つくせ毛も残ってはいるが顔や肩は丸みを帯び胸も膨らんでいる。
そう、彼は彼ではないのだ。文字通り魔法少女へとなったのだ。
「なったのか、魔法少女に………」
「なったのかてあれ男だから!あんな見た目だけどあれ男だから!でもあれ、どう見ても………わけわかんない………」
叫びの後あっさり見たものを受け入れる隆と違い祐子は困惑し過ぎて頭を抱える。
「せっかくいいとこだったのに、邪魔しないでよストリーム。ストリーム?違うわね、あなた誰?」
敵魔法少女が警戒心を出す。
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