第2話 炎上(の裏)

私は炎上した。

何故か?理由は分かりきっている。

私は一応人気と言えるであろうインフルエンサーをしている。

友達に誘われて、本名に近い「アリス」という名前で始めてしまった。

そして何故か人気が出てしまった。

ある日、路線は違うが同じようにゲーム実況者として活動している兄と一緒に家を出てしまったのだ。

ここで不幸なことに

兄は私が何をしているかを知らない。

兄と一緒だった時、配信する時のメイクをしてしまっていた。

そして、これが1番問題だった。

大好きな兄にくっつきたかった為に、手を繋いでしまった。

ここまで来れば同棲疑惑にもなるだろう。

兄は特に悩んでもいないようだ。だからすぐに自分の視聴者に言い訳する為の配信をするようなこともないのだろう。

しかも何が起こっているのか分かっていないはずだ。

今もリビングでゆったりと猫のようにお茶を飲んでいるが、あれは兄なりの焦燥なのだ。

なんだかんだこれ以上はどうしようもないので私は今夜、特定されてしまう前に配信をする事にした。

しかしこれはどうやって説明すればいいのだろうか。

兄に活動のことはあまり言いたくない。

分かっているのに説明できず、私は炎上している。

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