路草

羞明

野宿ノヲト、その電線弦、燐寸の烟り

開いて、閉じて、また空いて

雨の気配が散弾銃だ

/棚にはヘビイチゴにこなぐすり/

/宝物かも、しれないなぁ/

/ぬらりひょんにないないばあ/

/落とし物かも、しれないなぁ/

在りし日の待ち合わせには安楽死を捧げ

泣かぬ蛍を肺に落とし、掲げたものだ

こりゃ咲いているのか、凪いているのか

ありきたりの最終列車に彷徨いた者

ひぐらしだけが眠りについたまま

うねりだけが瞼に染み出したような

陽だまりばかりが掌では消せない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る