第3話だだっ子、未来

「先生、何をおっしゃってるんですか?

みんなは先生が未来党の、党首だから

着いて来てるんですよ!」


「だって~私は総理大臣なんて嫌だ~!」


「嫌だじゃ、有りません!」


「嫌だ~嫌だ~!」


と走って逃げようとする、未来の襟首を

谷脇が掴むと、未来の両腕をスタッフが

掴んで座らせる。


「先生、総理大臣になれば、今迄は出来なかった事も出来るんですよ!先生が最初に

おっしゃってた困って居る人、苦しんで

居る人を、助ける事が出来るんですよ!」


「嫌だ~!私は、この耳で聞いて、直接話が

したいの!総理大臣になったら会ばっかり

じゃないの!嫌だ~!」


困り果てた谷脇は、恭介に電話した。


「桜庭さんですか?谷脇です」


「あ~選挙、お疲れ様、どうした?」


「あの~先生が総理大臣は嫌だから未来党の

党首を私に変われと言い出して、今だだを

こねてて、言い含めてるんですけど私達では

無理です、桜庭さんじゃ無いと!来て

頂けますか?」


「もう~未来は!谷脇ごめんね、直ぐに

行くよ!」


「はい!お願いします!」


恭介が電話を切ると、peaceのメンバーが

集まって来た。


「恭介、どうした?」


「未来が総理になるのは、嫌だから未来党の

党首を谷脇に、変われって言ってるらしくて

みんなが困ってるみたいなんだよ!」


「ありゃ~未来ちゃんなら、言いそうだな!」


「で、どうするの?」


「今から下の事務所に、行ってくるよ!」


「じゃあ、俺達も行きますか?」


「あいよ~」


そして、事務所に行くと、デスクで

だだをこねている未来の姿。


「嫌だ~嫌だ~!」


「未来!」


ビクッとする未来。


「恭介さん、peaceの皆さん、どうしたの?」


「あのな~未来!お前が未来党の党首だろ!総理になったら、今迄、手が出せなかった

案件にも取り組めるんじゃ無いのか?

ちゃんと見なくちゃ、いけない事が沢山

有る筈だぞ!」


「恭介さ~ん、私は今迄通り、みんなの

話を聞いて、みんなと闘いたいの!」


「うん、それは分かる、でも、その

みんなを思うなら未来の尊敬する信長様の

様に腹をくくって、総理の仕事をまっとう

しろ!」


「そうだよ!未来ちゃん」


「今迄と、する事は一緒だよ!」


「未来ちゃんなら、出来るよ!」


何やら、コソコソ話をする恭介とpeaceの

メンバー。


「ここいらで、スイッチ入れますか?」


「そうだな!」


「本当に未来ちゃんは、変だけど出来る子

だからね~」


わざと、スイッチを入れた。


「変?」


みんなが、ビクッとする。


「私は変じゃ有りません!分かりました

皆さんが、そこ迄言うなら、やりましょう!

信長様の様に闘います!見ててくださいね!」


「あ~見てるよ!任せなさい!」


そして、ここに日本初の女性の総理大臣が

誕生した。

谷脇が


「さすが桜庭さん、とpeaceの皆さんですね!」


まんざらでも無いみんなは、笑顔で谷脇に


「谷脇、頼むな!」


「はい!お任せください!」


「元レディースは、頼りになるね~」


「もう~」


「ハハハハ」


にこやかに事務所を、後にする恭介と

peaceのメンバーだった。

みんなが、未来の政治手腕は知っているので

期待に胸が、膨らんでいた。


「みんな、ありがとうな!」


「恭介、お前だけの未来ちゃんじゃ無いから

心配するな!お礼なんて言うなよ!」


「何だよ!その意味深な発言は!」


「ハハハハ」


と、仲の良いpeaceだった。

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