佐々木君は恋愛が絡むとIQが著しく下がる

梅玉

第1話 佐々木君恋をする

「好きな子が出来た?!」

クラスメイトの親友に小声でそう告げると、メガネで真面目そうな少年は真っ赤になってうつむいた。

彼の名は佐々木冬也ささきとうや。高校2年生である。話を聞いている親友の名は、結城伸ゆうきしん

冬也とは正反対の人懐っこそうな陽キャ男子だ。

彼は親友の目の前で顔を真っ赤にして、両手をもじもじさせている。

「それで……その子って誰なんだ?」

ニヤリと笑みを浮かべて、冬也の親友は問うた。

「えっと……」

チラッと周りを見回して誰もいないことを確認すると、冬也は声を潜めて言った。

「皆川さん・・・」その言葉を聞いた瞬間、伸は呆れたような表情になった。

「お前、またかよ!もう何回目だよ!?」

「仕方ないだろ!!気付いたら目で追ってしまうんだ!!」

「お前さぁ・・・誰かを好きになるのはいいけど、いい加減告白まで話進めろよ」

「うっ……。それは分かってるんだけど……。でもフラれるの怖いし……。

もしフラれて今の関係が崩れたらと思うと……」

「あーもうウジウジすんな!お前らしくねぇぞ!」

「ごめん……」

「謝ることじゃねーよ。大体お前成績も学年トップだし、

見た目だって悪くないのに、何をそんなに自信が持てねぇんだよ!」

「・・・・」冬也は黙ってしまう。

実際に学年トップのイケメン優等生として彼に憧れる女子も少なくない。

(どうしてこいつは恋愛沙汰になるとこうなるんだろうなぁ・・・)

伸は心の中でため息をつく。そして苦笑いしながら言った。

「まぁ、あれだ。とりあえず当たって砕けて来いよ!」

「だが、しかし・・・俺が告白することで、それが彼女の一生の汚点となり、

将来的にもかなりの痛手を被る結果にならないだろうか・・・?」

「ねぇよ!」

伸が呆れたように返す。


「俺は彼女を傷つけたくないんだ!」

「お前ほんといい奴だよなぁ~。だけど大丈夫だって!

オレなんかなこの前C組の渡辺さんご飯誘って成功してるんだぜ!」

「なん……だと……?!」

「だからさ、思い切って告っちまえばいいんだよ!

それに、もしフラれちゃったとしてもオレらがずっと友達でいてやるからさ!」

「伸・・・でもお前・・・」

「おうよ!オレとお前の仲じゃないか!水臭いこと言うなっての!」

「いや・・・でも・・」

「何だよ、煮え切らないなぁ・・・男だろ!」「そうじゃなくて・・・」

「・・・C組の渡辺さんにご飯誘ったんだ・・・へぇ・・・」

伸の背後から声がする。振り向くとそこには1人の少女の姿があった。


「あっ、茜・・・・!どうしたのこんなところで?今日部活休みだったっけ?」

「うん、ちょっと職員室に用事があって。

で、C組の渡辺さんとのお話、詳しく聞きたいわね!伸君・・・・」

茜と呼ばれた少女から怒りのオーラが見える。彼女は松川茜まつかわあかね。伸の恋人である。

「茜さん・・・その、ごめんなさい・・・・出来心でぇ~・・・」

伸は茜に引きずられるように教室から出て行った。

「あいつも・・・懲りないなぁ」

冬也は顔面蒼白で伸を見送った・・・。


***

(今日も何も進展しなかった・・・)

そんな事を考えながら冬也は帰路に就いた。彼は先程まで、

親友である伸と一緒にいたのだが、 茜に呼び出されて帰ってしまったのだ。

「はぁ・・・」

大きなため息を吐き、俯いたまま歩く。

すると―――ドンッ!と何かにぶつかった。

「きゃっ!」

女の子の声が聞こえる。顔を上げると、そこにいたのは

同じ学校の制服を着た小柄な美少女。

冬也と同じクラスの同級生、皆川莉緒みなかわりおだ。

(な・・・なななんでこんな所に皆川さんが・・・・!!?)

冬也は心の中で動揺しまくるが何とか平静を装う。

「すまない、考え事をしていたもので・・・怪我は無いか?」

「はい、私は平気ですけど、佐々木君は大丈夫ですか?」

「お・・俺は問題ない・・・!気にしなくていい!」

「なら良かったのですけれど・・・」

冬也は今すぐにでも逃げ出したい気持ちを必死に抑える。

「では、俺は急いでいるので失礼する・・・!」

「あ・・・」

そう言って冬也は逃げるようにして走り去った。

(うう・・・不愛想な接し方をしてしまった!)

だが、今の彼にはそれしか出来なかったのである。


***

翌日。昨日の出来事を思い出して悶々としながら登校していると、

前方に見覚えのある姿を発見した。皆川莉緒だ。

「おっおはよう!」

思わず声をかける。しかし、彼女はこちらを見ようともしない。

(やっぱり嫌われてしまったか・・・)

ショックで落ち込んでいると、突然彼女が振り返った。

「あ、気付かなくてごめんなさい、お、おはようございます!」

莉緒がしどろもどろに挨拶する。冬也は嬉しくてニヤける顔を必死に堪える。

「ああ、おはよう」

「あの・・・昨日のことですが・・・」

「え?」

「私、全然怒ってませんよ!」

そう言うとニコッと微笑みかけてきた。

(覚えててくれてた!俺の事を!!)冬也は心の中でガッツポーズをする。

「本当にすまなかったな・・・」

「いえ、大丈夫ですよ!それより、お互い気をつけましょうね」

「そうだな」

「ふふっ」

「ははは」

2人は笑い合う。それはとても幸せそうな笑顔だった。

(話せた・・・!初めて普通に会話で来た!!!)

冬也は内心大喜びだ。ここが学校でなく自室だったら

おそらく感動でむせび泣いていたに違いない。

「じゃあ、またな!」

「はい!」

こうして2人はそれぞれの席へと向かった。

冬也の隣の席では、伸が机の上に突っ伏していた。

「おい、どうしたんだ?」冬也が思わず声を掛ける。

「佐々木よぅ・・・オレさぁ・・・今日服脱げない・・・」

(松川さんに何されたんだ・・・?!)


****

「・・・で、皆川さんと普通に会話できたと?」

「これはもうアポロの月面到着以来の快挙だよ・・・!」

冬也は顔を紅潮させて軽く机をたたく。

「お前ほんっと恋愛下手だよなぁ~」

伸は呆れたように言った。

「うぐっ・・・」

冬也は何も言い返せない。実際その通りなのだから。

「ま、とりあえず今はそれでいいじゃねぇか!

次はもっと距離を縮めないとな」

「距離・・・だと?!」

「大体においてあっちはまだ敬語だろうが。」

「確かに・・・」

「まずは名前呼びから始めるべきだな!よし、今日から頑張れ!」

「おう!ありがとう伸!!」

「おうおう、頑張りたまえよ」

冬也は決意を新たにする。そして次の目標に向けて動き出すのだった。

(嬉しすぎてIQが1桁になってないかこいつ・・・)

伸は冬也を見ながら苦笑していた。


その夜。

自室で宿題を片付けながら冬也は考えていた。

(名前呼び・・・か。)


「冬也君」「莉緒ちゃん」

「莉緒」「冬也君」

妄想の中の2人がお互いに名前を呼び合う。

「莉緒」

「冬也君」

「莉緒・・・」

「冬也君っ♡」

「莉緒!」


「うわぁぁぁぁぁぁ!」冬也は顔面を両手で覆い叫ぶ。

「ダメだ!耐えられない!恥ずかしすぎる!無理だ!」

あまりの恥ずかしさに、冬也の脳はオーバーヒート寸前だ。

「やっぱり・・・まだ早いな。」

冬也は呟く。だが、いつかは彼女と対等の立場で話をしたい。

そう、それこそ伸と茜のように・・・。

(いやあれは尻に敷かれているというか)

そんな事を考えつつ、冬也は眠りについた。


******

「で、この式にはこの公式を使うことで、これを省略できるわけだ。」

翌日、冬也は教室で茜に宿題を教えていた。

「へぇ~佐々木、よくこんなの理解できるねぇ。私なんか黒板に書かれたのを

片っ端からノート取ってても全然分からないのに・・・」

「ああ、あの先生はわざと難解に解釈させてるところがあるからな・・・」

「うっわ、あのクソ教師・・・」

「あと、あの部分はこう考えた方が分かりやすいぞ。」

「おぉ、なるほどね!ありがと!」

「あ、ああ、これくらい別に・・・」

「あ、そろそろ昼休み終わるね。じゃあ、伸もまた放課後にね」

茜はそう言って自分の教室に戻る。

伸は隣でその様子を見ていたが・・・

(こいつは別に女子と会話できないとかそういわけではないんだよな。)

そう、冬也が女性と話す事が苦手ではない。

現に、茜とは普通に話が出来ている。しかも勉強を教えられる余裕まである。

(となると問題は・・・)

伸はチラッと莉緒の方を見る。彼女はほかの女子と談笑をしていた。


「皆川さん、少しいいかな?」

「え?結城くん、どうしたの?」

伸は莉緒の席に近づいて話しかける。

「いや、気になったんだけどさ。なんで皆川さんさ、佐々木には敬語なの?」

「え?」

突然聞かれて戸惑う莉緒。

「だってほら、あいつ同学年でクラスメイトだし、タメ口でいいじゃん?」

「ええっと・・・」

「もしかして、タメ口が恥ずかしいとか?」「いえ、そういうわけでは・・・」

「じゃあどうして佐々木だけ敬語なのさ?」

「それは・・・」

「それは?」

「それは・・・秘密!」

莉緒は顔を赤らめて俯きながら言った。

(おいおい、まさか佐々木のことが好きだったりして・・・?)

伸は内心焦る。

(もしそうだとしたらどうすればいいんだ?!)

伸は混乱する。伸の予想では、冬也と莉緒はお互い恋愛感情を抱いていないはずだ。

だからこそ、伸は2人をくっつけようとしているのだが、

それが逆効果になるかもしれないのだ。

伸の頭の中で思考の渦が巻き起こる。

「どうしたの?結城君」

「うおっ!」

いきなり声を掛けられて驚く伸。見るとそこには莉緒がいた。

「な、なんでもないよ!それより、今日の帰り一緒に帰らないか?

ちょっと相談したいことがあるからさ!」とダメもとで言ってみた。

「うん・・・別にいいけど」

意外にもOKが出たのでちょっと拍子抜けするも、

伸はこれはチャンスだと思い直し

「おう!じゃあ帰りにな。」

そう言うと、伸は自分の席へと戻っていった。


***


放課後、伸は莉緒と帰る前に茜に事情を説明する。

というか話しておかないと浮気を疑われるからだ。

「佐々木と皆川ちゃんがねぇ・・・」

話を聞いた茜は考え込むような仕草をする。

「てことで、人助けなんだ。分かってくれる?」

伸はその人懐っこそうな丸い目をさらに上目遣いにする。

「むぅ・・・しょうがないなぁ・・・」

茜は少し迷った様子だったが了承してくれた。

「あざっす!!!」

「でも、伸は私の彼氏だからね。そこは忘れちゃダメだよ」

「もちろん!」

伸は即答する。

(とりあえず、2人の関係がどうなるのか見守るしかないか)

伸はそう思いつつ、莉緒と一緒に下校するのだった。


莉緒と一緒の帰り道、

「いきなりの誘いだったのに、聞いてくれてありがとう。」

伸はまず莉緒に礼を言う。

「うーん・・・私は別に構わないけど、相談したいことって何?」

「・・・ちょっと教室では聞きにくい事。」「え?」

伸はちょっと緊張した面持ちで本題に入る。

「まぁズバリ言っちゃうと、佐々木の事だけどさ。」

「・・・・・・。」この瞬間莉緒が固まった。


(おいおい・・・なんだよこの分かりやすい反応は!?)

伸は先ほど自分が建てた予想が、確信に変わるのを感じたが・・・

(とは言えどここはハッキリとさせておこう。)

「てかさ、佐々木の事はどう思ってるのよ?」

「・・・・・!!!!」

伸はこの瞬間、『顔から火が出る』という表現を

現実のものとして目の当たりにすることとなった。

(うわこれ聞かなくても分かるやつ・・・)

だがここで引いてしまっては何も解決しない。

「どうなのよ?」と、再度尋ねる。

すると、莉緒はうつむいたまま答え始めた。

「佐々木君は・・・カッコよくて頭もいいですし・・・

クラスメイトとして・・・とっても頼りになる人だと思います・・・

それで、その・・・!」

莉緒はしどろもどろに答えていく。

「いやオレに敬語使ってどうするのよ?」

思わず突っ込みを入れる伸。

(間違いない!・・・これはもう間違いない!)

「え?あ・・・ごめんなさい・・・」

(やっぱり、皆川さんは佐々木の事が好きなんだ!)

ここまで来てしまえば、もはや隠しようがないではないか。


伸は二人が両想いであることを確信すると同時に、

ちょっとうらやましくも思った。

お互いに片想いだと思っていたクラスメイトが実は両想いだったとか、

これ以上はない幸運ではないか?

ましてや二人とも恋愛に関しては初心者だ。

本当にこんな羨ましい話はない。

(・・・となると問題はあいつの頭か)

冬也にこんな事実を告げようものならとんでもないことになる。

(それこそ一気にIQゼロになって嬉しさのあまり

壁に頭打ち付けて死んでしまうかもしれん・・・)

伸はそんなことを考えてため息をつく。

「あのぉ・・・」

莉緒が遠慮がちに話しかけてくる。

「あ、ああ、悪い。」

「いえ、こちらこそすみません。変なことを言ってしまって・・・」

莉緒は申し訳なさそうに縮こまる。

(まあ、そりゃそうだよな・・・)

伸は心の中でつぶやく。

いきなり『冬也のことは好きですか?』なんて聞かれたら誰だって戸惑うだろう。

「いや、気にしてないから大丈夫。それよりさ」

「はい?なんでしょう?」

「で、その気持ちは佐々木に伝える気あるの?」

「え?!」

莉緒は顔を真っ赤にして驚く。

「いや、だってさ。このままだと多分ずっと伝えられないままじゃん?

だからさ、早めに伝えといたほうがいいと思うんだけど。」

「それは・・・そんな大それたことはまだ・・・」

莉緒は言葉に詰まり、その代わり首を横にブンブンと振った。

(そっか・・・こっちも決して恋愛が上手いとは言えないんだよなぁ・・・)

とりあえず二人が両想いであるのは分かったが、新たな問題が生まれてしまった。


****


次の日。

伸は茜と屋上で弁当を食べていた。

「なに・・・それ?!」

伸からの報告を聞いた茜は呆然としている。

「な、問題だろ?」

「いや、面白そう・・・」茜は真顔でそう答えた。

「まぁ、確かに傍で見てると面白いかもしれないけどさぁ」

伸はため息を吐いた。

「しっかしあの佐々木がそんなに残念になるとは知らなかったなぁ」

茜がニヤニヤしながら言う。

「まったくだよ」と伸は返す。

「で、その肝心の佐々木は今どうしてるのよ?」

「皆川さんの言動に一喜一憂してるよ。

そしてノートの隅に相合傘とか書いてご満悦状態だったよ。」

「ぷっ!」茜は思わず吹き出す。

「笑うなよ、あいつ大真面目てやってるんだから。」

「でも、なんか可愛いよね。」

茜は笑顔で言う。

あのクール系イケメンの冬也がそんな事をしている。

想像しただけで笑いがこみあげてくる。

「まぁ、そうだけどさぁ・・・」

伸は複雑な表情を浮かべながら答える。

「・・・しかしそんな両想いなら、何とかしてあげたい気持ちになるね。」

「でも、どうすればいいか分からないんだよなぁ」

「うーん・・・とりあえず佐々木には黙っておくしかないかな?」

「まぁ、それが一番無難だと思う。」

「じゃあ私達で見守ろうよ。何か進展があったら教えてよ」

「おう、了解。」

そうこうしてるうちに5限目の予鈴が鳴り始め、二人はお互いの教室へと戻った。


そして伸が教室に戻ると冬也は席について次の授業の準備をしていた。

(あれ?ちょっとは落ち着いたかな。)

そう思いながら伸が席に着くなり、冬也が開口一番。

「・・・彼女を見ているだけの仕事があればいいのに」

「・・・・」ダメだった。

全然落ち着いていなかった。

むしろ悪化していた。

「お前、それストーカーっていうんだぞ。」

伸は思わず突っ込む。「いや、違う!俺はただ見守っているだけだ!」

冬也は真剣な眼差しで反論する。

「・・・もうそれでいいよ。」

伸は半ば諦め気味で返した。

(いかんな・・・早いとこ二人をくっつけないと

そのうち事件起こすかもしれん。)

伸は心の中でつぶやく。

放課後。

いつものように伸と冬也は一緒に帰っていた。

「で、どうすんだ?」

伸は早速本題に入る。

「どうすると言われてもなぁ・・・」

冬也は腕を組んで考えている。

「どうするも何も、まずは皆川さんと仲良くならなきゃいけないだろ?」

「うむ・・・だがどうやって?」

「それともなんだ?この先もずっと彼女の上履きの匂いを嗅いで

ご満悦な日々を送る気か!」

「だ、誰がそんな変態的なことをするか!!」

(このままだと本当にやりそうだから言ってるんだよ!)

伸は内心ツッコみつつ話を続ける。

「・・・とにかく皆川さんに話しかけてみるべきだろ。」

「それは無理だ。」

「なんで?」

「・・・嫌われたくない。」

「おいコラ、なに乙女チックなこと言ってんのよ。」

伸は冬也の態度を見てだんだんと腹が立ってくる。

「う、うるさいな。」

「・・・ったく、これだからヘタレは。」

「な、何を言う!」

「よし、決めた。」

伸は立ち止まって冬也の方を見る。

「オレがばらす!」

「はぁ?!」


「いいかよく聞け!このままお前がそんな態度しか取れないなら、

お前が皆川さんが好きという事を彼女にばらす!」

「ちょ、ちょっと待て!そんな事したら彼女が困るだろう?!」

伸の爆弾発言に、冬也も動揺する。

「だから俺が代わりにバラしてやるんだよ。」

「お、おまえなぁ・・・」

「いいから、お前は皆川さんとちゃんと向き合って話をしろ。分かったか!」

伸はそう言い残して走り去った。


「・・・はぁ」

伸の姿が見えなくなると、冬也はため息をつく。

(あいつの言う通りだな・・・)

『お前は皆川さんとちゃんと向き合って話をしろ』

伸の言葉が胸に刺さる。

(・・・確かにこのままじゃだめだよな。)

伸は自分なりに考えてくれている。

そんな親友の思いを無駄にするわけにはいかない。

「ありがとうな、伸。」

冬也は一人つぶやいて、家路についた。


 つづく

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