第41話 困惑

 ———日曜日。丹菜が俺の部屋に来ないまま、いつもどおりバイトに出かけたら玄関先で陽葵が丹菜の部屋に入ろうとしているところに出くわした。


 陽葵と目が合う―――当然、陽葵は俺に話し掛ける。


「あれ? なんで正吾君、隣の部屋から出てきたの?」


 ———丹菜の奴、今日陽葵が部屋に来ること伝え忘れたな? まぁ、誰にでもミスはある。あいつも疲れてたんだろう。ここは気持ちを切り替えて、さり気無くここを去る。


「———よっ。俺バイトあっから、じゃあな」


「あ、うん……じゃあ……ね……」


 ———陽葵に一つ、秘密がバレてしまったか……ま、しょうがない。今はバイトに汗を流すだけだ。


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 しかし、予期せぬ事態は続くもので、この日、レストランでちょっとしたトラブルがあった。

 お客様からクレームが入っていた。どうやら、予約していた条件と違う席と料理内容だったようで、どうも受付時にミスがあったようだ。

 今回の予約は商談事での会食らしく、先に取引元の企業が来店して予約の内容を確認したところミスが発覚した。サービス提供前の発覚でまずは良かった。

 このトラブルに、俺ともう一人のスタッフが臨機に対応して精一杯お客様が納得できるそして満足行くサービスを心がけたわけだが、どうやら商談が上手く行く運びになったらしく大変喜んでもらえた。


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「———お疲れ様でした」


 俺はバイトも終わり、いつもどおり丹菜に「帰る」とメッセージを送った。


「あ、そう言えば陽葵来てたな。ま、丹菜がメッセージ読み上げなければ問題無いだろう。って、読み上げる内容でも無いから問題無いさ」


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 ———今、俺は、部屋に帰ってきて、コタツに入って寛いでいる訳だが……俺の目の前には丹菜と陽葵もコタツに入って寛いでいた。




 何がどうなってこうなった?

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