瞳の奥に映し出す

@WCmsmr

第1話

 空に広がる夕陽の色に今日も1日が始まるな、なんて考えながらベッドから体を起こす。

まだ眠い体を無理やり動かせば、シャワーをするために風呂場に向かった。

身支度をする前にシャワーをする事で、頭を動かすためだ。


 風呂場から出てくれば、インスタントコーヒーを雑にマグカップに入れれば、お湯を入れてテーブルに置き、寝室のタンスからワイシャツを選び、袖を通せば鏡と化粧品を出した。

化粧水を付けてメイクを始めると、私はため息を吐いた。

いつもと同じように少し派手なメイクをしている時が、1番仕事に向かう気力を削ぎ落としていく。

 メイクが終われば髪を結んでから、テーブルのコーヒーから湯気が出ている事を確認し、台所へ行けば、食パンを1枚取り出す。

甘い物は飽きたが、料理をするほどの気力はなく、冷たいままの食パンにマーガリンを塗って、その上からいちごジャムを乗せた。

折り込むように食パンで包み込み、ひとくち齧り、コーヒーの場所まで行く。

 椅子に座ってコーヒーを飲めば、いつもより濃く淹れてしまった事で眉間に皺を寄せた。

苦味から逃れるためにパンを食べ、甘さを中和するためにコーヒーを飲んでを繰り返していると、コーヒーもパンもなくなったので、シンクにマグカップを置き、水を溜めた。


 スマホでニュースを見ながらズボンと靴下を履き、ベストを着て、姿見を見るとワイシャツにいちごジャムが付いていることに気付いた。

また大きくため息を吐いて、近くにあるティッシュで拭い、ネクタイを雑に取り出した。

ネクタイを締めれば、さほど目立たないだろうと踏んで、ネクタイを結ぶ。


 もう外はすっかり暗くなっているので、スマホで時間を見た。

21時を過ぎてる事を確認すると、カバンを持って革靴を履き、家を出た。

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