第30話 【閑話】 邪神の褒美
「我が更なる祝福をしに行くのじゃ」
「人間の身で半神とはいえ邪神になったのですから、私がいきます」
「うぬぬぬぬ…我が行くのじゃ!顕現して祝福を与え褒美を与えるのじゃ!」
「邪神の中でも主神級のエグゾーダス様が行ったら不味いですって!創造神ティオス様に怒られますよ! その点私なら元は人間ですから大丈夫です」
「コーネリア…うぬぬ、おのれ~ 仕方ないのじゃ、行くが良いぞ」
「それでエグゾーダス様、お祝いの品は何をお持ちしましょうか?」
「コーネリア~お主が行くのじゃから、お前が用意すれば良いじゃろう? 人間でありながら『我ら』を愛し美しいと褒めたたえ、こんな短時間で『邪神』の麓にたどり着いたのじゃ…半端な褒美は出せぬぞ」
「そうですね…それではもし、エグゾーダス様だったら何を褒美にするつもりだったのですか?」
「そうじゃな? 魔聖剣デュランを考えておったわ…どうじゃ?お主にはこれを上回る物など用意できまい!ならば我に」
「そうですか…解りました私は『ウリュアの鎧』を渡す事にしましょう…私の姉が善神に殺された時の血から作りだします…恐らくは最強の鎧の筈です…きっと姉の加護がどんな時も瞳を守る事でしょう」
「お主…姉の魂を防具に付けて渡すというのか? それは邪神とはいえ女神を1人与えるようなものじゃ…まずかろうが!」
「うふふふっ…別に良いではないですか? 世界が一つ滅んでも、私困りませんから…私達は邪神なのですよ? 世界が混沌とし、人間がどうなろうと気になどなりません…それに黒薔薇や黒牡丹を与えた時点でもう魔王すら歯が立たない存在なのですから…新たな邪神が生まれるなら、他の神に文句言われる位気になどなりませんよ」
「アホか…文句言われるのは我じゃ」
「瞳の国の言葉に『責任者は責任を取る為に居る』そう言う名言があるそうですよ? 頑張って下さいねエグゾーダス様」
「ハァ~お主、瞳に会ってから随分性格が変わったのう」
「うふふふっ、当たり前です! この姿になってから『綺麗だ』そう言った初めての男性ですから…私、彼の為なら1つや2つ世界が滅んでも別に構いませんよ」
「お主…」
「本心です」
「お主、全く仕方が無い奴じゃな…まぁ…我もじゃ!」
「なら、決定ですね…私『ウリュアの鎧』をこれから制作に入りますね」
「それでは我の魔聖剣デュランが見劣ってしまうでは無いか! ならば我は魔聖剣デュランに太古の邪神サングラスの魂を呼び入れ『真魔聖剣サングラン』を作り出して褒美にしてくれる」
「エグゾーダス様…そこまでしますか? 大人気ないですよ」
「そんな事は知らぬな…もうこの際二人で祝福してやろうぞ…その後は一緒に怒られれば良いのじゃ」
「仕方ありませんね…そうしますか…」
さて久しぶりに瞳に会うのが楽しみじゃ。
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