第2話 白い空間



頭が少し痛い。


此処は何処だ?


まだ、周りは見えない。


ただただ白い空間が広がっている。


「此処はどこなの?」


「なにも見えない」


「誰か~誰かいませんかぁ~」


「おーい」


どうやら同級生は近くに居るようだ。


ただ、姿は俺から見えなく、同級生同士も見えないようだ。


『なんだか心地よい』


あの悍ましい姿を見ないで済むなら…『良かった』そう考えてしまう。


しかし、霧と違って本当に何も見えない。


どうした物か? そう考えていると頭の中に声が聞こえてきた。


『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』


声には威圧が含まれているような感じで、誰もが声をあげる事が出来ない。


暖かく優しく、それでいて逆らえない、そんな声だ。


『お前らはそのままでは、異世界ブリエールでは生きられない。よって神々の慈悲で、お前らに『祝福』を与える。この白き闇が晴れた時、ブリエールの神々の姿を見ることになるだろう。その中より自分が素晴らしいと思う神の元に行き、祝福を貰うのだ。さすれば、異世界ブリエールに置いて、英雄、勇者と呼ばれる存在になる事が出来るであろう』


まだ、この話は続く。


『ブルエールへの召喚は神々のものではない。よってこれを破棄する事は出来ない。何も『祝福』を受けずに行く事は可能だが、その場合はすぐに死ぬ事になる。これはあくまで異世界へ召喚された者を救おうという神々の慈悲なのだ。その事を忘れてはいけない。 そして、どの神から祝福を受けたかは当人とその祝福を与えた神以外は知る者は居ない。勇者、聖女、剣聖、賢者のジョブのみは世界を救うために選ばれた存在ゆえ、伝わる。それでは選ぶのだ』


そこ迄聞くと、白い霧の様な物が晴れた。


その先に見えた者は…ああああっーーっ!


今迄に見た事無い怪物たち。


俺の目が可笑しくなる前に見た、クトゥルフ神話の神々よりも悍しく醜い存在に見えた。


同級生たちはうっとりとした表情で彼等を見惚れているが…駄目だ。


俺には足が竦む程に…恐怖しかない。









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