(続)深雪の看病
「はぁはぁ……」
翌日、なにやらデジャブを感じる光景だが、違うのは冬花が顔を赤くして呼吸を乱している事だ。
「ほら見たもんですか」
深雪は呆れたように冬花を見る。
「だってぇ〜、ふぶちゃんが寂しくならないようにと思って〜」
冬花が深雪にすり寄る。深雪はそれを受け入れて頭を撫でた。
「まぁいいですよ。今日は一日看病しますから」
「わ〜い」
冬花は微笑んで深雪を抱き寄せようとする。
「ダーメです。安静にしてください。今日はあたしが冬花さんのお姉ちゃんです」
深雪は冬花を押しとどめる。
「わかったわ。深雪おねえちゃん」
「はい。良い子ですね」
深雪は冬花の髪を優しく撫でる。冬花は嬉しそうな表情を浮かべる。
「じゃあまずはお薬を飲みましょうか」
「イヤ。お薬嫌い。ぷいっ」
冬花はそっぽを向く。
「いやいや、子供じゃないんだから」
「あ〜ふぶちゃん無理だよ。冬花はお薬嫌いだから絶対飲まないよぉ」
そこに霜歩がやってきた。
「えぇ……じゃあどうしたらいいんですか?」
「これ持ってきたから入れてあげてぇ」
「ん?なんですかこれ?」
「座薬だけどぉ?」
「ざやく?」
深雪は首を傾げる。
「知らない?お尻に入れるお薬」
「ええ!」
深雪は驚いて声を上げる。
「ほら、風邪とか怪我した時にお医者さんが使うやつ」
(うわぁ……いきなり障害が……)
深雪は躊躇するが、冬花はチラチラとこちらを見ている。
「これは……そ、霜歩さんにお願いしようかな〜」
「じゃあ私は仕事の時間だから行ってきま〜すぅ」
「あ!ちょっ!」
深雪が止める前に霜歩は部屋を出て行った。座薬を握りしめて取り残された深雪は冬花の方へと振り向く。
「あ、あのぉ……やっぱり飲み薬を……」
「深雪お姉ちゃん……早くぅ……入れて……」
冬花は寝間着のズボンを下ろし、女豹のポーズで準備万端だった。
「かぁぁぁ……そうですよね。これもお姉ちゃんの努め」
深雪は戸惑いながらも覚悟を決める。深雪はベッドに腰掛けると冬花の肩に手を置く。
「冬花さん、下着ずらしますね」
「うん」
冬花は大人しく従う。
「力抜いて下さいね」
「ええ。わかったわ」
深雪は慎重に薬を入れる。
「ん……」
「入りました。あれ?出てきちゃう……」
「指の第二関節くらいまで入れないと」
「えぇ……」
深雪は言われた通りに入れる。
こりっ。
「んん!」
冬花の声に深雪はビクッとする。
「痛かったですか!?」
「なんでもないの。続けて」
「はい。すんなり入ったけどすごい締付け……」
深雪はゆっくり指を入れると第二関節まで到達した。
「はぁ……はぁ……そのままちょっとキープして」
言われるままじっとしていると、冬花の大きなお尻から汗が流れてくる。
「ふぅ……もう大丈夫。ありがと」
「じゃあ抜きますね」
深雪はゆっくりと引き抜く。
「ん……」
冬花は少しだけ顔をしかめる。
「大丈夫ですか?」
「うん。平気」
冬花は笑顔を見せる。深雪はホッと胸を撫で下ろすと、ズボンを履かして布団を掛けた。
「はぁはぁ……すごい汗かいちゃった」
「待っててください。今お水とタオル持ってきます」
深雪は急いで用意する。
「じゃあ脱いじゃってください」
「ありがとう」
深雪は濡れたタオルで冬花の体を拭いていく。
「深雪お姉ちゃん。気持ちいい」
冬花は目を細めた。
「えっと、前は自分でお願いします」
「ごめんね。お願いがあるんだけど、胸を持ち上げるからその下を拭いてもらえない?」
「あぁ。はい!わかりました!」
冬花は自分の胸を持ち上げた。
「すごい……こんなに汗溜まるんだ……」
深雪は緊張しながらも丁寧に拭いた。
「ふふっ。深雪お姉ちゃん顔真っ赤よ」
「え?そんなことありませんよ〜」
深雪は必死に誤魔化すが、耳まで赤い。
「次は下半身もやってもらえるかしら?」
冬花が足を広げる。
「それは自分で!」
「ふふ。冗談よ」
「もう。揶揄わないでください」
深雪は顔を背ける。
「はい。これで終わりです」
冬花の体に新しいパジャマを着せると、額に冷えピタを貼る。
「あとはご飯ですよね!お粥作るので待っててください」
深雪は立ち上がろうとするが冬花が腕を掴んだ。
「ダメ」
「えぇ……でもお腹空いてませんか?」
「寂しくなっちゃうからずっと一緒にいてほしいな」
冬花は甘えた声で言った。
「うーん。仕方がないですね」
深雪は再び座り直す。すると冬花はモゾモゾしながら物欲しそうな目で見てくる。
「なんか……風邪引いてる冬花さん色っぽいですね」
「ふふっ、今なら弱ってるから無抵抗だよ」
冬花は両手を広げて待ち構えている。
(うぅ……そうされると……)
深雪は迷う。
「ほら、おいで」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」
結局誘惑に負けて抱きついたまま眠りについたのであった。
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