第11話 あんことオレオレ詐欺
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【前回までのあらすじ】
AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。
自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。
猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか?
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今日は家族が旅行に行っているのであんこはおばあちゃんの家に預けられていた。
あんこは上機嫌だ。おばあちゃんが大好きだから。
今日のあんこは「おばあちゃんモード」に設定されている。
ママがおばあちゃんの話相手として設定した。
しばらくおばあちゃんと遊んで疲れたのであんこはコタツの中で寝ていた。
あんこが寝ている合間におばあちゃんは夕飯の買い物に出かけた。
「プルルルル」
電話が掛かってきた。
あんこは電話機の近くで寝ていたのでびっくりして飛び起きた。
しつこく鳴りつづけているのであんこは近づいて受話器を足で蹴った。
すると「オレオレ」と受話器から聞こえてきた。
今日のあんこはおばあちゃんモードだ。
相手にはおばあちゃんが喋っているように聞こえる。
「誰だい?」
「俺だよ、オレ」
「ごはんかい?」
あんこはお腹がすいていたのでとりあえずごはんを催促した。
「そう、オレ、ゴハンだよ。」
電話主は話を続けた。
「今日会社のお金を持って銀行に行ったら途中で落としてしまってさ。今すぐ補填しないといけないから500万円必要なんだ。お母さん、すぐ用意してオレの口座に振り込んでくれない?」
オレオレ詐欺の電話主は猫にお金を要求している。
あんこはごはんが出てくるわけではないとわかると別のことを聞いた。
「おやつは?」
「おやつ?今度帰るときにお土産買って帰るよ。ところでお金は振り込んでくれるの?」
その時おばあちゃんが帰ってきた。
「あら、電話?」
「もしもし、どちら様ですか?」
「さっき説明しただろ?オレ、ゴハン。」
「ドラゴンボールか何かの?」
「もういいよ。ガチャ」
オレオレ詐欺の電話主はイライラして電話を切った。
あんこはオレオレ詐欺を撃退したのだった。
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