あんこは猫(♂)

@kkkkk_

第1話 家族の役割

「ガチャ」


大きい方のヤツが帰ってきた。とりあえず少し高い声で鳴いて足に頭を擦り付けておく。


「ニャー」


大きい方のヤツはいそいそとご飯の用意をしに行く。その途中のトイレの前で軽くニャと合図しておく。掃除してもらわないと次の用に差し支える。


「あんこ、偉いなーいっぱい出たね。」


多分ほめているのだろう。当然だ。


そして大きい方のヤツはオレのごはんを用意している。

ご飯を食べていると誰かが帰ってきた。この声はママだ。ママだー!


「ニャー ニャー」


条件反射的に走ってママのところに駆け寄る。ママはオレの頭をなで顎をなで耳をなで、なんて幸せなんだ。生まれてきてよかったとさえ思える瞬間だ。


「遅くなってごめんねー残業でさあ。今からごはんの支度するね。」

ママは言う。


「ゆっくりでいいよー」

大きい方のヤツが答える。


オレの名前はあんこ。ママと大きい方のヤツと小さい方のヤツと暮らしている。


趣味はおやつと箱に入ること、仕事はパトロール。危険がないかを見回らないといつ誰が狙ってくるかわからない。


来るべき戦いに備えて少しでも寝ておこう。

おなかも満たされ丁度眠くなってきたところだ。

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