ネルモル村

ノエ「ついた〜ここがネルモル村。」

  「凄く大きな農村だね〜。」

カイ「ああ、あんな遠くまで畑なのか…。」

「こういう自然豊かなとこはのどかで良いな。」

  「故郷の村を思い出す。」

ノエ「カイの村もこんな感じなんだね〜」

カイ「ああ、土いじりとか良くしてた。」

ノエ(だからそんなにムキムキなのかな)

  (筋力ボーナス+4…)

  「俺も畑仕事とかしてみよっかな…。」

ロゼ「んじゃーパパっと魔物の剥ぎ取り品」

  「冒険者ギルドに売りに行くか〜。」

アオイ「ああ、そうしよう。」

   「皆、準備はいいか?」

アオイは見えるところに偽装魔術をかけて

 ローブと仮面をする。

ノエ「オッケーだよ。」

カイ「本当か?」

ノエ「ホントだよ〜もうカイは」

  「疑り深いんだから。」

カイ「そこにある剣用のホルダーは?」

ノエ「あっ…。」

  「も、もう大丈夫だもん!」

カイ「…聖印付きのネクタイは?」

ノエ「え?あっ!」

カイ「ノ〜エ〜???」

ノエ「わっ、こ、怖いって〜カイ〜(泣)」

ロゼ「忘れもんとかその場で補充で良くね〜?」

アオイ「お前それ続けたら」

   「いつか破産するからやめろ。」

そんな他愛ない会話しながら近くに

 キャラバンを止めて村へと向かう。

武装した村人「そこの奴ら止まれ!」

武器を所持した村人が行く手を止める。

どうやらここは関所のようだ。

武装した村人「怪しい品がないか」

      「調べさせてもらう」

ロゼ「ほーいどーぞ調べて〜。」

 村人達は持ってきた魔物の剥ぎ取り品や

軽い身体検査をひとしきりした。

武装した村人「最後に…これを。」

ロゼ「うわっ何々?香水?」

「やけに甘ったるい匂いで嫌なんだけど〜。」

  「てかクサッ。」

村人はロゼの顔に香水を吹きかける。

村人「問題ない入れ。」

ロゼ「へいへいー。」

 ロゼ、カイ、ノエ、テラは関所を抜ける。

カイ「にしても厳重ですね。」

  「村にしてはかなり厳しいというか。」

ノエ「ねぇ~なんか調べられてやな感じ…。」

テラ「……………あの香水…何処かで。」

ロゼ「え?この香水知ってんの?」

テラ「はい、以前何処かで嗅いだような。」

GMならテラさんだけ物品調査できるっす。

 ただし…判定値は25っす

カイな!高すぎるだろそれはっ

GMこれわかっちゃったらネタバレも

ストーリーも無いんすよ。

ロゼあーね?

 物品調査判定(セージ技能かスカウト)

テラ1+4=5+10=15☓

テラ「……………すみません」

  「思い出せないです。」

カイ「うーん俺もあの香水は」

  「分からないですね。」

ノエ「俺も〜。」

ロゼ「うちの国も珍しいとこなんだけど」

  「無いねこんなの。」

GM…アオさんアオさん

アオイ、ん?なんだ?GM

GM生命抵抗判定目標値は20っす。

アオイ、は?!

生命抵抗

アオイ5+6=11☓

アオイ「なん…だっこ…れ。」

武装した村人「この者を捕らえろー!!」

関所の方から叫び声がする。

先に調べていた武器を持った村人が騒いでいる。

聞こえたか、聞き耳判定

ロゼ3+1+2=6+11=17◎

カイ3+2=5+9=14○

テラ1+3=4+3=7☓

ロゼ「…ッ!!お前ら行くぞ!」

カイ「はいっ!」

ノエ「えっ?なに?どうしたの?」

テラ「とりあえずついて行くぞノエ。」

  「話は後だ。」

ノエ「あ!うん!」

関所にて

村人「なんだなんだ?」

村人「また蛮族が村に入ろうとした」

  「らしいわよ。」

村人「また、暴走したのか野蛮で下賤な」

  「蛮族らしい」

村人「ママーあれ何?」

村人「しっ!見ちゃいけません!」

アオイは縄で締め上げられ口は

布で塞がれている。

ロゼ「アオ!!」

  (とりあえず捕まってるだけか。)

アオイ「…っん…っ…。」

武装した村人「近寄るな!この者は追放する!!」

ロゼ「は?何でだよお前らに」

  「そんな権利ないだろ」

  「ここの村長出せ。」

村長「ワシがこの村の村長だ。」

すると白髪の老人が現れた。

村長「この者は霊薬をかけた時、」

  「暴走状態となった」

  「この緋色の霊薬はかけた者の」

  「真実を映し出す。」

 「蛮族と分かった以上村には入れられん。」

「本当ならば蛮族なぞ殺してやりたいの」

「じゃがな…。」

カイ「っ!アンタ!アオイさんの」

   「事知らないくせに」

村長「だが、蛮族は優しき振りをして我らを」

  「騙す!ならば最初から関わらぬ方が」

  「マシじゃっ。」

村人「俺は村長に賛成だ!」

村人「僕の父は蛮族に殺されたんだ!」

  「蛮族は滅ぼすべきだ!」

村人「帰れ!帰れ!」

村人「俺達の村から出ていけ!」

テラ「…どうしますか?…この村滅ぼすしても」

  「良いですけど…?」

テラは銃に手を伸ばす。

武装した村人「全員構えろ!」

ロゼ「…テラやめとけ今は他にやる事」

  「あんだろ。」

ロゼはアオイへと近寄る。

武装した村人「近寄るな!危険だぞ!」

ロゼ「アオの身柄渡してくれね?」

 「渡してくれたら俺らは一度退散するって。」

武装した村人「…村長どうしますか?」

村長「その誓い違えるなよ…。」

  「渡してやれ。」

ロゼ「怪我は無いみたいね…良かった。」

  「よいしょっ。」

ロゼはアオイを抱き上げる。

アオイは息が荒く熱がある。

 ロゼの服を掴んでくる。

アオイ「ロ…ゼ…。」

ロゼ「喋んなくていいよ。」

  「辛いんでしょ今は寝てな。」

アオイはこと切れた様に目を瞑る。

ロゼ「後さ…村長の爺さん」

  「俺らのキャラバンに村の奴らが」

  「コイツを殺しに来たら…。」

殺意をむき出しにて笑みも無く村長だけを

捉えて発する。

  「この村にいる全員」

  「明日の太陽拝めないと思えよ。」

 村長に聞こえる程度の小声で話す。

村長「?!」

先の威嚇が無かったようにケロッとした

表情となり踵を返した。

ロゼ「おぉ~しお前らさっさと帰るよ〜。」

ノエ「…はーい。」

カイ「…ああここは息が詰まりそうだ。」

村長「皆の者あの者たちへ手は出すな良いな。」

こうしてキャラバンへと戻ったのだった。

村長(殺されるかと思った…。)

…………………………………………………………

熱い…熱い…燃える様な熱さに体が焼かれる。

喉が渇く渇いて仕方ないけれどこの渇きは…

水を飲んでも癒やされぬ渇き。

穢れた血が求めるのは

人の血と決まっているだろう?

影(野蛮な蛮族め!)

影(帰れ!帰れ!)

影(蛮族?!気持ち悪い!)

 記憶がフラッシュバックする。

アオイ(夢なら…早く覚めてほしい。)

ロゼ「…お?起きた?」

…温かい…子供の様な体温の掌が頬を撫でる。

 重い体を起こすどうやらキャラバンの寝室で

 眠っていたらしい。

ロゼはずっと抱きしめている状態だ。

 暴走しないように…ということだろうか?

…欲しい、欲しいけれどソレを求めたら最後…

 もう戻れなくなる。

ロゼ「アオちゃん水飲める〜?」

  「それとも、体拭く?」

アオイ「…っ…、ぅ…。」

ロゼ「苦しいな。」

  「ねぇ、俺どうすりゃアオを救える?」

  「バルバロスの事教えてアオ。」

  「お前の為ならなんだってするから。」

 壊れ物を扱うように優しく抱きしめられる。

ああ、どうしてお前が

そんな苦しそうな顔をするんだ

優しいお前に…求めてもいいのか…そうか。

アオイ「…っ…血…欲し…い。」

どうしょうもなくて抑えられない衝動と

傷つけてしまう事と熱さと渇き。

ぐちゃぐちゃに練り混ぜられて

我慢出来ずに瞳から雫が溢れる。

ロゼ「…良いよそれで楽になるなら」

  「俺の血アオちゃんにあげる」

アオイ「…っ!…お前が居てくれて…」

   「良かった。」

ロゼの膝の上に乗り首筋に牙を立てる。

アオイ「…はむ…んっ…。」

ロゼ「っ…。」

吸血の水音がロゼの耳元で聞こえる。

アオイ「…ん…。」

今度はキスを求められた。舌を入れて絡める。

ロゼ(随分積極的ね~…これがバルバロスの)

  (欲求消化、制御方法かね。)

  (…ちょっと役得なんて思ったら)

  (また、アオに怒られるかな…。)

押し倒して続きをする。

それは熱が収まるまで続いた

…………………………………………………………

アオイ「そのケホッ……すまない…」

   「その首…噛み跡っ、だらけにして…。」

赤面して申し訳無さそうに

ロゼの背中に寄りかかる。

ロゼ「えぇ~俺は役得だし良いよ〜。」

  「むしろもっと付けても良かったのに〜。」

 ニヤニヤとした笑みをする。

アオイ「…あの香水嗅いだとき…体が」

   「熱くなって…衝動にかられたんだ。」

ロゼ「衝動って?」

アオイ「いつもは魔物の剥ぎ取りの際に」

   「血を取ってろ過したものを飲んで」」

   「抑えてたんだがな。」

「バルバロスは人を襲うのに抵抗がないように」

   「衝動がある程度あるんだ。」

   「ゴブリンなんていい例だな。」

  「好きなときに食べて好きなときに襲う。」

「だが、上位のバルバロスやウィークリングは」

  「ある程度抑えられるんだ…が。」

ロゼ「今回は霊薬のせいでおかしくなった」

  「てことね。」

アオイ「生き血を貰ったしもう…大丈夫だ。」

ロゼ「他にも色々あげたしねぇ〜?」(ニヤァ)

アオイ「それ…は…っ。」

 (耳元で喋らないで欲しいっ…。)

ロゼ「もうちょいしてく?」

 ロゼはアオイの服の下から手を入れる。

アオイ「あ……ぃや…。」

 トントン!

アオイ「わぁあっ?!。」ロゼの頭を引っ叩く。

ロゼ「あいてぇっ!?」

カイ「アオイさん起きましたか?」

扉越しにカイの声が聞こえる。

アオイ「あっ、ああ!起きたぞ!」

   「体調も戻ったから大丈夫だ!」

カイ「あ、そうなんですね本当に良かった。」

 「俺、ノエやテラさんにも伝えてきますね。」

カイが梯子を使う音が聞こえた。

アオイ「焦った…。」

   「こんなとこ見せられないし…。」

   「当分傷が治るまでは」

   「ロゼと風呂入るか…。」

ロゼの首筋は噛み跡が数か所ある。

同じくらい俺の首筋に別の跡があるんだが…。

ロゼ「ん?なにそんなに見ちゃって〜?」

  「俺格好いい〜?」

無言ビンタ

ロゼ「いって!?」

アオイ「調子に乗るなバカ…。」

   (心臓が煩い…静まれ、静まれ。)

ロゼ(言うならここかな。)

  「……あのさ。」

側から離れて着替えようとするアオイを引き止め

 抱き寄せる。

ロゼ「順番は逆になっちゃった」

  「かもしれないけど。」

アオイ「…え。」

ロゼ「俺さお前の事が好きなんだ。」

「…だから…その、…付き合って下さい!」

アオイ「…っ。」

 ポロッと瞳から雫が流れる。

ロゼ「うぇっ!?ああっ大丈夫!」

 「あはは〜そっかそりゃ〜嫌だよね〜うん。」

アオイ「そうじゃないっ。」

   「…お、俺なんかで良いのか?」

ロゼ「お前じゃなきゃダメなの。」

アオイ「っ…その、こちらこそ」

   「よろしく頼む。」

 (出会った頃から…あの時からずっと)

 (好きだったんだ。)

ロゼ「まっじか〜っ!良かった断られたら」

  「どうしようかと思ってたわー!」

「あぁ〜やっばい…めちゃくちゃ嬉しい〜!」

アオイ「ああ。」 

…………………………………………………………

ノエ「アオイさーん!もう大丈夫なの?」

  「ご飯いる?お薬とか買わなくて良いの?」

ノエが引っ付いて来た。

アオイ「ああ、もう大丈夫だ。」

   「ありがとうノエ。」

 頭にポンと手を置く。

ノエ「そっか良かった〜。」

カイ「アオイさん夜食食べれます?」

  「作ったんで良かったら食ってください。」

アオイ「ああ、すまない迷惑をかけたな。」

カイ「迷惑だなんてそんな。」

  「いくらでも頼ってください」

  「仲間じゃないですか」

アオイ「…、ああそうだな。」

三人は仲良く談笑をしている。

テラはロゼに小声で話しかける。

テラ「…村の方はどうしますか?」

ロゼ「明日は分断して動く。」

  「近接のカイ、回復担当のノエはここに」

  「置いてく。」

  「上が命令しても聞かない馬鹿ってのは」

  「どの集団にも居るもんだしね〜。」

(村長の反対を押し切り攻め込んでくる村人も)

  (いるかも知れないし保険はかけておけば)

  (おくほど安心ってね。)

  「テラは俺と一緒に村行くぞ。」

  「ついてきてくれるよな?」

テラ「ええ、もちろん。あの村には一度」

 「お灸を据えてやらないといけないんで…。」

テラは銃を念入りに手入れする。

ロゼ「オッケー。」

GM…ピロン

カイ(ん?ミャインにコメントが来てる…。)

  (GMからか)

GM(これ村滅ぼすつもりッスかね??)

カイピロン

カイ(滅ぼされたくなければ全力で)

  (村人達に謝罪させろ。)

GM((T_T))

次の日

アオイ「俺は村に入れなさそうだからな」

   「ここで待っておく。」

ロゼ「うんちょっと待っててよ。」

  「すぐ戻ってくるからさ〜。」

(小声)「愛妻料理とか作ってくれてても」

  「良いのゴフッ!?」

アオイ「……馬鹿っ。」

ロゼ(………帰ったら寝室に)

  (連れ込もうそうしよう。)

ロゼはアオイを抱きしめる

アオイ「ちょっ!?なっ…、何だよ急にっ…。」

ロゼ「アオに昨日言ってないこと」

  「あったからさ。」

  「お前はお前だよ化け物なんかじゃない」

  「ただの俺の大事な人。」

 (村の奴が何言ったって暴れたって)

 (俺はお前の味方だから。)

アオイ「…っ…、ああ、そうだな。俺は俺だ。」

   「ありがとう。」

ロゼ「んじゃ!行ってきまーす!」

テラ「…ロゼさん。」

ロゼ「とりあえず状況確認…

態度を改めねぇなら粛清。」

テラ「了解。」

 村へと向かったロゼ達そこには

武装した村人が沢山配置されていた。

武装した村人「止まれ!そこの蛮族の一味!」

ロゼ「人聞きが悪いね〜今日はアオちゃん」

  「連れてねーじゃん。」

  「なぁテラ。」

テラ「ええ、俺達は人族だろ?なぁ。」

テラは村人に威圧する。

武装した村人「くっ。」

      「だがこちらは武器を持って!」

ロゼ「たかが民兵が本職の冒険者に」

  「勝てると本気で思ってんの〜」

  「滑稽すぎて笑えるわ〜。」

ヘラヘラと苛立たしい嘲笑する。

村長「…なにようかの。」

ロゼ「俺等は依頼と剥ぎ取り品を」

  「売りたいだけだよ」

  「お前らが危害を加えないなら」

  「俺らも加えねーよ。」

  「そんな構えんなって。」

村長「通してやれ。」

武装した村人「ですが村長!」

村長「【あやつら】が戻ってくるまで」

  「後3日じゃ辛抱せい。」

武装した村人「チッ!命拾いしたな…通れ。」

テラ「どうも。」

村に入ったが村人は

昨日よりも外に出ているものは

 少ないさらにこちらを見ないようにしている。

どうやら遠ざけているらしい。

テラ「俺達を警戒しているようですね。」

ロゼ「そーね。」

テラ「冒険者ギルドはこちらですね。」

ネルモル村冒険者ギルド

ロゼ「ちわ〜。」

受付嬢「ひぃー!い、いらっしゃいませ。」

テラ「剥ぎ取り品の買い取りを」

受付嬢「か、かしこまりましたぁぁぁー!」

受付嬢は怯えながらも仕事をこなしてくれた。

受付嬢「ほ、他にご、御用はありますか?」

テラ「依頼を紹介して欲しい。」

受付嬢「あ~…あの、その…。」

   「依頼…、無いです。」

テラ「なんでだ?」

受付嬢「ひゅい!」

   「皆依頼取り下げちゃったんです〜」

「こっちも上がったり下がったりです!(泣)」

ロゼ「はぁ~しゃーない帰るか〜。」

少年「まっ待って!」

ロゼ「ん?どしたのちびっ子?」

少年「なぁ、あんた達こないだブァル厶で優勝」

  「してたろ!」

ロゼ「おぉ~それ知ってるとはお目が高いね。」

少年「なら助けてくれ!俺が俺が依頼する!」

テラ「…、どうします?」

ロゼ「良いよ〜受けたげよ。」

受付嬢「ちょ!ギルドを通してくれないと」

   「困ります」

テラ「これは個人で引き受けた依頼だ。」

  「ギルドは関係ない…、いいな?」

受付嬢「…、は、はい。」

 少年は依頼内容を話す。

少年「…俺の父さん病気なんだ…」

  「結構重いみたいでさ中々治らなくて」

  「薬に結構金が必要でさ俺も働かなくちゃ」

  「いけなくて本当は遊びたいって言っても」

  「ごめんしかいってくれなくから…」

  「俺言っちゃいけないこと」

  「父さんに言ったんだ…。」

ロゼ「言っちゃいけないこと?」

少年は目に涙を溜めながら話す。

 

少年「…遊ばせてくれないで寝込んでばかりの」

  「父さんなんて死んじゃえばいいんだ!」

父「待ちなさい!マルク!…うっ…!」

少女「お父さん!お父さん!!」

  「お兄ちゃん帰ってきてお兄ちゃん!」


少年「妹が呼んでたのも無視して」

 「家に帰らずにいたら…、父さん倒れたって」

  「聞いて…俺のせいだ…っ俺が…」

  「死んじゃえって言ったから」

ロゼ「……。死んじゃえ…ね。」


入れ墨の少年「親父なんてくたばっちまえ!」

中年の男性「待ちなさいどこに行くんだ!」

入れ墨の少年「…ちっ」


 ロゼは座りこみ少年と同じ目線になる。

ロゼ「ならさ、それと逆の事してみなよ。」

  「死んじゃえて言ったことは変えられない」

  「けど親父さんまだ生きてるんだろ?」

  「ならまだ間に合うって。」

  「お前が生きてほしいって諦めなきゃ」

  「絶対大丈夫。」

  「だからもう泣くな。男だろ?」

 ロゼは少年の頭をガシガシと撫でる。

少年「…うん。お願い俺と一緒に薬草」

  「取りに行くの手伝って。」

受付嬢(……本当にあの人達は)

(村長が言うほど悪人の一味なのでしょうか?)

 (私には…ただの優しいお兄さん方にしか)

 (見えません。)

こうして一行は洞窟へと進んだのだった。

洞窟は暗く視界が悪い

テラ「いつもここに採取しに来てるのか?」

少年「ううん、何時もならマリア姉ちゃんが」

  「魔法を使って取ってきてくれるんだ。」

「けど…姉ちゃん出かけててさ姉ちゃんが」

「出かけてるときは行商人から」

「薬を買うんだけど」

「その行商人も盗賊に襲われたみたいで荷物が」

「空だって言われた。」

ロゼ「なるほどね~ま!確かにこんなとこには」

   「子供一人で来ないほうが良いな。」

   「…ちびっ子あそこの上に生えてる奴?」

少年「あ!うんあれだよ!光ってるお花!」

崖の上に光る黄色い花が咲いている。

GMここで登攀してもらうっすよ!

  登攀は、スカウト+俊敏っす。

  判定値は13

ロゼ「テラーちびっ子は任せた。」

  「ちょっくら行ってくるわ。」

テラ「お気をつけて。」

体を軽く伸ばした後に崖をよじ登る。

ロゼ2+4=6+9=15○

ロゼあっぶねぇ〜1足りた。

岩肌にあるほんの僅かな出っ張りに

足を乗せ踏み込み

 一気に跳び上がって行く。

ロゼ「よっ!」

ロゼは光る花を1輪だけ採取し崖を降りた

ロゼ「ほいお目当ても手に入ったしサクッと」

  「帰るよ。」

少年「お、お兄ちゃん…う、後ろっ!」

ロゼ「ん?」

ロゼが振り向くとそこには。

 寝床に近づいた敵を倒そうとする

 山猫の姿が!

テラ「仕留めます?」

ロゼ「いや、起こしたのは」

  「俺らだし峰打ちだよ。」

テラ「了解。」

先制判定

ロゼ2+4=6+9=15○先制獲得

テラ1+4=5+6=11☓

山猫12

魔物知識判定

テラ1+4=5+7=12○

グレイリンクス✕2

戦闘開始!

 暗闇につき暗視を持たない種族に-2のデバフ

テラちなみにグレイリンクスは暗視持ちですね。

ロゼはぁ~良いよな魔物とかは暗視持ちのばっか

 だもんなー俺も暗視欲しいー。

GM(ソレイユは最強格ナンスからそれ以上)

 (強くならないでくださいッス!)

テラのターン

エフェクトウェポン(炎)

5+4=9+5=14○

ロゼの物理攻撃力+1上昇属性炎付与

ロゼのターン

オウルビジョンを発動

 一時的に暗視可能。

ロゼこれで俺も暗視持ち〜

GMいつもの3連続攻撃(バフ付き)が

 リンクスを一撃ノックアウトさせたんで

 カットっす!

少年「すっげ~!兄ちゃん達強いんだな!」

ロゼ「でしょー強くて格好いいだろー?」

少年「え、あーうん兄ちゃんなんか」

  「残念だな。」

確かに大の大人が自画自賛からのドヤ顔は

子供でも引くかもしれない。

 ロゼ「それどういう意味ぃ!」

 テラ(そういう(残念な人)意味では。)

 テラ「とにかく急いで帰りましょう。」

 三人は少年の父が待つ家へと向かう。

 少年「父さんっ!!」

 少女「あっ!お兄ちゃん帰ってきた〜!」

畑にポツンとある家で質素ながら

生活感のある家だ

 机と調理台簡単な収納棚があるくらいだろう。

 奥の方には2段ベットとシングルベッドが

 壁を挟んで置いてある。

 恐らく少年の兄妹の部屋と父の部屋だろう。

少年の父「おや、今日は来客が多いね。」

    「お帰りマルク。」

 少年の父はベットに寝てはいるが

 容態は落ち着いた様子だ。

少年「?!父…さん、お、起きてて」

  「大丈夫なのか!?」

 少年は嘘でも見ているかのようだった。

少年の父「ああ、良いお医者様が診てくれてね」

    「おかげでだいぶ楽になったよ。」

少年「…良かっ…た、本当に、良かった」

「父さん…俺、お、れ死んじゃえなんて、」

「いってごめんなさい!俺本当は!」

「父さんに死んで欲しくない!」

 「もっとずっと一緒に居てほしいよ!」

 「父さんといれるなら俺もう」

 「ワガママ言わないから!」

少年の父「…いいやお前は悪くないよ」

「悪いのは私の方さお前には妹の世話に」

「体の弱い私に変わって家事も」

「何もかも任せきりだったんだ…正直」

「遊びたいと言ってくれたとき」

「ほっとしたんだ。」

少年「え?なんで?俺、酷いこと言ったのに。」

少年の父「お前はしっかりしていて」

 「嬉しいんだがたまにはワガママになっても」

    「良いんだよ。」

    「…いつも本当にありがとうな」

    「お前は私の自慢の息子だよ。」

   「だが、たまには私にも頼ってくれても」

    「良いんだよ」

  「病弱で頼りないかもしれないけれどね。」

 そう言って少年の頭を撫で抱き寄せる。

少年「うっ…あ…ううぅっ…うわあぁぁぁ。」

少年は泣きじゃくる小さな子供のように。

 今まで溜めていたものをすべて吐き出して

 それを少年の父親は受け止めるのだった。

少年「あっ!そうだ父さん!これ!」

  「いつもの薬草。」

少年の父「おやこれはどこで?」

少年「こっちの兄ちゃん達と取ってきたんだ。」

少年の父「そうか、お二人共」

    「ありがとうございます」

「後でちゃんと報酬をお渡しいたしますので。」

「良ければお名前とギルド名を教えていだだけ」

「ませんか?」

ロゼ「俺達はシーファミリアのロゼ、んで」

  「こっちは…」

テラ「シーファミリア、テラ。」

少年の父「シーファミリアですか。」

    「ふふふ…縁があるものですね。」

こうして少年の父は助かったのだった。

…………………………………………………………

 キャラバンにて

ロゼ「ただいま〜。」

テラ「ただいま戻りました。」

ノエ「あっ!おかえり〜。」

アオイ「おかえりで成果はどうだった?」

ロゼ「それがさ〜。」

 かくかくしかじか。

アオイ「…なるほどな。」

ノエ「へぇ~!いい話だね〜。」

  「その人も腰痛が治って良かったね〜。」

テラ「ああ、そうだな。」

カイ「そろそろ風呂沸かしますよー!」

ノエ「あ!はーい!」

ロゼ「いやぁ~良かった良かった〜。」

  「……ところでさ〜ノエ?」

 ノエの肩にポンと手を置くロゼ

ノエ「へ?なにロゼさん?」

ロゼ「なんで俺達も知らない親父さんの」

  「【病の事をここから動いてないノエが】」

  「なぁ〜んで知ってるのかな〜。」

(それってつまりお前ら出かけたってこと)

(だよなぁ〜ん〜??)

ノエ「………あっ。」

ロゼ「ん〜?ロゼさん怒らないから」

  「喋ってみ?ん?」

ロゼは黒い笑顔でノエに迫る。

ノエ「うぅ〜…助けてアオイさーん!」

アオイ「…はぁ~…バレたか。」

ロゼ「俺ここに居てって言ったよね?」

これには流石にロゼもやや怒っている様だ。

アオイ「それはだな…。」

 

 遡ることロゼとテラがギルドに

 向かっている頃のこと。


カイ「俺達はキャラバンに近づこうとする」

  「人が居ないかの警備だな。」

  「任された以上は全力を尽くすぞ。」

ノエ「そうだね、村の人なんて」

  「近づけてやらないから」

すると…

???「キャーー!」

 どこからともなく女性の悲鳴が聞こえる!

カイ「っ!あっちの方からだ!行くぞノエ!」

ノエ「うん!」

アオイ「…。」(あの二人…罠とか)

  (疑わないのか…まったく…)

  (ついて行かざるおえないな。)

こっそりとアオイも後ろをつける事に。

ノエ、カイが着くと狼に

 少女が襲われるところだった!

少女「っ!」(誰かっ助けて!)

 ギュッと目をつむる少女だが痛みが来ることは

 なかったゆっくりと目を開けると。

そこには吹き飛ばされた狼達と黒いカラスの様な

 羽が生えた青年がいた。

アオイ「怪我はないか?もう大丈夫だぞ。」

 少女の手を取り優しく微笑む。

少女「ふっ…ふぇっ…えぇぇぇーーーん!」

  「ごわかったよおぉぉー!!」

 少女は抱きつき泣きじゃくる。

アオイ「ああ、もう大丈夫だ。」

カイ「アオイさん来てたんですか。」

ノエ「けど…アオイさんが」

  「居てくれて良かった〜」

  「その子も助かったし結果オーライだね。」

カイ「だが…どうしてこんな所に女の子が」

 「一人でいるんだ?それに親御さんの所に」

 「届けないと。」

 その言葉を聞き少女は、はっ!と

 顔をおこす。

少女「お願い!天使様!パパを助けて!」

ノエ「てん…し。」

カイ「さ、ま??」

アオイ「………もしかして…俺のこと…か?」

 少女はブンブンと首を縦に全力で振る。

少女「絵本の天使様みたいに羽が生えてるから」

あっそんなことより!と少女は続ける。

少女「パパ体を悪くて寝たきりで…」

「今日は…何時もより、ヒドくて…」

「うぅ…うっ。」

「それにお兄ちゃんも出て行っちゃって」

「お兄ちゃん村のどこにも…居なくて」

「森まで行ったら会えるかなって。」

アオイ「…ノエ、カイ。」

カイ「ダメですよいくらアオイさんでも一人は」

  「危ないですよ。」

アオイ「この通りだ頼む。」

  「神官として、この子を助けてやりたい。」

  「だが…俺では叶わないだから頼む。」

アオイは二人に頭を下げる。

カイ「あ、謝らないで下さいよ!」

ノエ「良いよ俺、その人の」

  「治療に行ってきますね。」

  「カイもそれで良いよね?」

カイ「ああ…分かった。」

アオイ「なら俺がお兄さんを探しておこう。」

  「だから君はノエと一緒にお父さんの元へ」

  「帰りなさい。」

少女「!ありがとう天使様!」


少女の家にて

少女「パパ!」

少女の父「ミーシェ!」

    「どこに行っていたんだい!」

    「とても心配したよっ。」

 少女は父親の寝るベットに駆け寄り抱きつく。

少女「うん、ごめんなさいパパ。」

「あのねあのねパパ!神官様が来てくれたよ!」

「天使様がお願いしてくれたの!」

少女の父「貴方は?」

ノエ「俺はシーファミリアのノエって」

  「言います。」

 「この子に依頼されて治療をしに来ました。」

少女の父「そうでしたか…ですがお礼の」

「お金をすぐには用意出来ませんので…。」

ノエ「いいえ、代金は払える程度で」

  「充分です。」

  「すぐに代金もいりません。」

少女の父「そうですか…それはありがたッッ。」

少女「パパ!大丈夫?パパ!」

ノエ「ちょっと失礼しますね?」

 ノエは手をかざして身体に異常がないか調べる

ノエ「…これは…腰痛ですね。」

少女の父「ええ、そうなんです…医者に」

「診てもらったのですが…こればかりは」

「高度な聖魔法か、薬が無いと治療は不可能と」

「言われまして…この村唯一の」

「妖精魔法師の子に」

「定期的に治療魔法をかけてもらっていたの」

「ですがその子も今は留守でして…。」

ノエ「それなら、俺治せますよ。」

少女の父「っ!本当ですか!」

ノエ「はい、ちゃちゃっと治しちゃいますね。」

 こうして少年の妹は狼に襲われずにすみ。

 兄妹達の父の重度の腰痛は治ったのである。

…………………………………………………………

ノエ「てなわけでして〜。」

アオイ「ノエ達は悪くない責めないで」

   「やってくれ」

ロゼ「まぁ〜全員無事ならそれでいっか。」

  「にしても親父さん腰痛だったのね。」

アオイ「ここは農村だからな畑仕事で」

   「腰を痛める事は多々あるだろう。」

ノエ「これにて一件落着!だよね!」

  「ギルド全員での初仕事無事に」 

  「終わって良かった〜」


 親子との関係を改善し、少女を救った。

 村の人々はまだシーファミリアを恐れている

 かもしれないだが、少なくともあの親子だけは

 違う考えを持ってくれるようになるだろう。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る