第2話


「………終わり?」


目の前には穴が空いた死体と運良く当たってないが、怯えて腰を抜かした敵。


「ひぃっ……!!」

「く、くるな!化け物!!」

「殺されるっ!!」


一歩踏み出した途端、逃げ始める敵。


「あぁ、しっかりと掃除しなきゃね」


そうだよね、皆。


§


終わった。あぁ、終わったのか。

私も今、そちらに参ります。


胸に刀のきっさきを向ける。

胸に刺さ––––


––––パチパチパチパチパチパチパチパチパチ


拍手の音。

まだ、残っていたのか……。

音のする方へ向くと、そこには西洋の服を着た白髪の男が立っていた。


齢は30ぐらいだろうか。


「素晴らしい!!」

「は?」


この男は何を言ってるんだ?


「まさかあの数の敵を全て倒すとはっ!危うくなったら助けようと思っていだが、どうやら杞憂だったようだ」


背筋が凍る。

この男、

気配も氣も、。これが体質的なものでなく技術によるものだっら……。


「さて、君は死にたいのかい?」

「………だとしたら?」

「………なるほど。実に惜しいな」


刀を構え、いつでも斬り込めるよう重心を–––


「–––––何も成していないのに?」


首筋に短刀の刃。認識すらできない。

気付けばそこにいた。


「君はまだ何も成していない」


静かに


「その力があるのに」


淡々と


「その才能があるのに」


心を


「君は諦める」


抉る


「生きることを」


言葉の


「抗うことを」


刃を持って



核心を、突く。



「……何をしろと?」


私には何もない。家も家族も信頼できる者も。全て失われた。

そんな私に。何をしろと?


「君には–––」













–––––私の娘たちの護衛をしてほしいっ!!



「…………………………………は?」

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