第126話 貴族に嫌気がさす男

我が家から出せる戦力は


ガルド騎士団長率いる騎馬隊 15


ノーラ騎士団長率いるワイバーン隊 11


マヨネーズの街、兵士団16

普段は警察的なお仕事の方々、テント設営などが主の歩兵部隊


民兵


ヤング・マーズ隊 〈+ブルー〉

〈B級〉以上の冒険者 27



ペータ土木魔法師隊 6

一級土木魔法師の親方に魔石ランドセルと魔鉱鉄のヘルメットなどを装備し、ついでに〈バリア〉の魔法を取得してもらった築城と守り担当


それに俺 の76名


サラはグズッたが街の守備に残した。


マヨネーズの街からまず先にマヨネーズ兵士団八名が幌馬車で出発しキャンプ地を用意する


キャンプ地まで全員で移動するが、もう半分のマヨネーズ兵士団八名が次のキャンプ地まで進みキャンプ地を設営する。


翌朝本体出発後にキャンプ地を片付けて2つ先のキャンプ予定地を目指す。


のを繰り返し、


約一週間かけてアルバート伯爵領に入る


ここでガイルス辺境伯の大部隊と合流し北上する。


国王陛下の大軍勢は旧マルゲス侯爵領の街道を使ってワイズ王国まで進軍する中、


ガイルス辺境伯の連合軍が先日ほぼ壊滅させたワイズ王国貴族の領地を突っ切り敵の背後を取る作戦らしい


いきなり城を攻めないのは、


国王陛下の軍がまず城前に陣を張り、


〈降伏勧告〉を民に発して3日待った後ではないと攻め込んではいけないという暗黙のルールらしい。


〈貴族のルールは、面倒臭い…〉


ワイバーン騎士団で乗り込み三日三晩岩を落としまくればすぐなのに…


それに、


軍の足は遅くテント組み立て訓練の様な日々が続く、


敵国なので兵団を先のりさせてキャンプ地を構える訳にもいかずに、


歩兵中心の進行速度でゾロゾロ移動し、

夕方前にはキャンプの用意をする。


遅い上に移動時間まで削られる。


我が領地の軍隊は数は少ないが機動力は抜群だ、その強みが完全に死んでいる。


俺はたまらず、


「ガイルス辺境伯様、ウチの騎士団は早さが自慢なのに、これでは俺が出た意味があまり無いかと…」


とガイルス様に言うと、


「我慢いたせ子爵よ

皆、戦果をあげたい者ばかりだ、先駆けをすれば後々問題になる。」


とガイルス様が答えるが、


頭の中でマップスキルを使い合流予定地をみるが、このペースだと後一週は掛かる。


「ガイルス様、ワイバーン騎士団に偵察任務を出して良いですか?


少し先に飛ばして行軍の安全確認作業では勿体ないです。」


と俺が頼むと、


「私も、余りの遅さに焦っていた所だ。


敵国にバレない様に偵察してきてくれ。」


とガイルス様から了承を得たので、ノーラ騎士団長に偵察任務を与えた。


ワイバーンなら予定地まで、だいたい丸1日、往復2日程度だろう。



まぁ、偵察に出してはみたが、俺自身はパカポコと久々の出動の〈クロイ〉に乗ってのんびり大移動中だ。


テントを張って今日お散歩も終了かと思った時に、


ワイバーン騎士団の1人が本陣に戻って来た。


「伝令、ノーラ騎士団長より報告です。


ガイルス辺境伯軍と並走するかたちでスタンピードが国王軍本体を目指しております。


このままではスタンピードがガイルス辺境伯軍を追い越して王国軍の側面をつかれる可能性があります。


ご指示を!」


と報告した。


言わんこっちゃない、ガイルスのオッサン遅すぎるんだよ。


「ガイルス様、私とウチの足の早い部隊は、スタンピードを食い止めに向かいます。


辺境伯様は先行出来る部隊を編成して国王陛下のもとへお願いします。


ウチの騎士団が負けたら、側面からスタンピードが来ますから注意も続けて下さい。」


と告げると、


ガイルス辺境伯様は、


「うむ、許可する。」


と他の貴族の前で許可をだした。


これで、晴れて独立部隊だ。


俺はクロイからサブローに乗り換えて、伝令役のワイバーン騎士と俺とに1人ずつ土木魔法師の親方を乗せて、スタンピードの進行方向で迎え撃つ為の準備に向かった。


ドラグーン子爵軍は馬車や騎馬にて全速力で防衛ラインを目指して移動を始めた。


〈ホントにお貴族様の付き合いは面倒臭い、〉


冒険者のままが良かったよ。


と、おれは誰に言うわけでもない愚痴を吐きながら戦地を目指す。

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