第40話 ホウ・レン・ソウ

 ―――冬休みも終わり、学校が始まった。


 新学期最初に話題になったのは私だ。と言っても少しなんだけどね。


 朝、何時ものように登校して、何時ものように陽葵と話しをしていると、私の事を話題にしているグループの話し声が何となくだが聞こえてきた。


「ねえねえ、休み中に葉倉さんがカッコいい男の人と一緒に歩いているの見たんだけど……」


 ―――以上である。


 私に確認を取ることも無く、憶測で話しは終わったようだ。一応、それなりにその話題は広まりはしたんだけどね。火は静かに消えたそうです。


 でも、私の中の正吾君に対する情熱の火は全然静まることを知らず……寧ろ大きくなって行く一方なのでした。


 そして―――。


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 ―――時は流れ、バレンタインデー間近のとある昼休み。陽葵がぼやいていた。


「最近、なんか告白される回数増えてんだけど……なんで?」


「陽葵可愛いって評判らしいですよ」


「そうなの? こんなに地味にしてるのに?」


「だって下地が既に出来上がってますから。何やっても可愛いですよ。それに以前から結構告白されてましたよね?」


「月一、二回は……」


「三年間で一回告白されればヨシとするのが普通だそうです」


「そうなの?」


「芳賀さんが言ってたので間違い無いと思います」


「そっか……私ってモテてた方なんだ……」


 モテてショックを受けると言うのもどうなんだろう?

 

 ———話は変わって、


「ね、来週バレンタインでしょ? 一緒にチョコ作んない?」


 私も正吾君に上げるつもりだったので一緒にチョコ作るのは勿論OKだけど……。


「何処で作るんですか?」


「丹菜の部屋———だめ?」


 今、隣に正吾君が居ない。後で正吾君に教えれば問題ないか。そう思っていたのですが……。


 ・

 ・

 ・


 ―――約束の日曜日。


 ”―――ピーンポーン”


 陽葵が来たようだ。


「いらっしゃーい」


「ね、正吾君、隣の部屋から出て来たんだけど……なんで?」









 ———あ! 正吾君に伝えるの忘れてた。

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