異星人の襲来

始まりは今から20年前。

最初に、宇宙人の標的となった都市はアメリカのニューヨークだった。


突如、巨大な宇宙船がニューヨークの上空に現れる。


ニューヨークのFAXTVというチャンネルが、宇宙人に乗っ取られた。


ニューヨーク高層ビルの大型ディスプレイ画面に、「宇宙人」といったらあの顔だよね?という、ありがちな、あの「いかにも宇宙人」の顔が映し出された。


頭が異様にデカい。

そして緑色っぽい肌に、大きな黒目、黒い2つの鼻の穴。

指は細長い。

おなじみのそんな姿。


テレビに映し出された「いかにも宇宙人」から全人類にメッセージが送られた。


「さぁ。ゲームの時間です」


(一体何が始まるというのか。宇宙戦争か!?)

突如現れた、宇宙船に、地球上は大パニック。

全世界で会議が何度も開かれ、どう対応すべきか、さまざまな議論が行われた。


宇宙船に向けての攻撃はできなかった。

相手は、広大な宇宙空間を移動する技術を持つのだ。

どんな仕返しをされるかわからない。


ところが。

粗暴な一般市民が、宇宙船に向かって銃を放った。

それを合図として、周囲を取り囲んでいた軍隊も一斉に発泡する。


パニックが起きたのだ。


しかし宇宙船に弾は一発も当たらなかった。

当たらないどころか素通りし、宇宙船の背後に建っていたビルが損壊してしまった。

幸い、ビル内には人がおらず、ケガ人などは出なかったのだが。


宇宙船は「実体のない映像」だったのだ!


「我々に攻撃をしてもムダです。まあ、いまのが攻撃って言うのか、はなはだ疑問ですけどね(笑)ただし、我々はあなた方を攻撃できる」


よほど、今の攻撃がツボにはいったのだろうか。

巨大ディスプレイの「いかにも宇宙人」は口に手を当てて笑いをこらえながら話す。


「我々は、実体を持たない。この姿もあなた方の宇宙人のイメージを忠実に再現してみました。この宇宙船もあなた方の宇宙船のイメージをモデルにして作られた映像です」


いかにも宇宙人は、また笑いをこらえていた。

「どうしてこういうイメージになるのか、はなはだ疑問ですけどね(笑)」


「我々は宇宙空間の離れた安全な地から、この映像を送っています。一応、繰り返しますね。我々は実体を持ちませんが、あなた方を遠隔で攻撃することはできます」


突如、宇宙船からビーム光線が発せられ、セントラルパークの一角が黒焦げになる。

人のいないところを狙ったのだろう。

ケガ人は誰も出なかった。


「我々は永遠の生命を持ち、肉体を持ちません。あなたがたで言うところの「データ」のような存在です。あ、ここまで理解できてますか?(笑)我々は、とても退屈なので、地球人とゲームしに来ました」


当時、世界中の最高峰の頭脳を持つ科学者が集められた。

「データとして存在するなら、どこかから、電波が飛んでいるはずだ!」


20年前から、さまざまな研究がなされてきたのだが、いまだに何も解明されていない。

明らかに地球のほうが科学において劣っているのだった。


「さて。ゲームのルールを説明します」


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