残念ながら、土俵がちがうの

「僕らにはみんな、表現の自由が許されているはずです!」

彼は叫んだ。1+1が5にも6にも100にもなる。それが言葉の世界なのだという。


なるほど確かにそいつは美しいが。

私はネクタイを緩めつつ、チョークを置いて彼の肩に手を置いた。

「でも悪いが赤点は変わらんよ。今は数学の時間なんだわ」

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