第109話.現実の世界に戻って
すぅ…………っ
ワタシの視界は精神世界から、一瞬で現実へ戻って。ニックも側に居ます! 様子を見るにワタシの予想通り、そうも時間は経って無い様です。
すると、ワタシの神気にレイラ様の気が混ざり合った “帯” は一斉にグニョグニョと波打ち始めまして。そして或る一点に集まり、絡まり合ったんです。
集まり絡まった、その一点……それは、ワタシの「背中」なんです!
【うわぁ! お姉ちゃん、スゴイスゴーイ!】
ニックはワタシのその変化を見て、とてもコーフンしてますね。レイラ様は氷魔法を踊り場の壁にぶつけ、急ごしらえの氷鏡を作りました。
「さぁアカリちゃん、自分の背中がどうなったのか、自分の目で確認してみなさい!」
ワタシは鏡越しに、自分の背中を確認してみると……シャンパンゴールドの “帯” で形成された羽根が2枚、まるで天使の様に生えています。
ピコピコ♡ ピコピコ♡
でも……とても小っちゃいです! まるで、両手の平を根元でくっ付けて左右に広げた位の大きさです。でも自分の意思で動かせるその羽根、とっても愛しいです! んまっ♡
「そ、コレが “譲渡の儀式” よ。あなたにとっての『力』の源は、この羽根なの! 神気を纏ってるから正確にはこの羽根、『神翼』と言うのよ」
レイラ様は、自分の羽根をファサッ!と扇いで言いました。
「神気を纏ってる事から分かると思うけど……アタシのこの羽根とは全く違うモノなの。アタシの羽根は『浮翼』って言って、ホントにただ浮く為だけの羽根。アタシの場合、魔法で推進力を得てるのよ」
レイラ様はワタシの “帯” を指差し、こう言いました。
「アカリちゃん、今まで当たり前の様に出し入れしてたあの “帯” なんだけど……実は、この『神翼』から出てたのよ」
“帯” を意識的に伸ばしてみたけれど……確かに出所は『神翼』からですね。正に、生まれたての
「もっと言ってあげると……あの “帯” の色、シャンパンゴールドだったでしょ。ちょっと “ピンク” がかったシャンパンと “ゴールド” の混じった、ね」
キレイよね……って眺める事はありましたが、確かにそう言われると気になります。
「実はその色にも意味があってね。“ゴールド” って云うのは、3大神族だけが持つ神気の色らしいの。そして、シャンパンの “ピンク” は癒しの色なのよ。アカリちゃんって回復スキル……使えたりしない?」
そう言えば、あの時ノゾミ、カナエ、タマエのキュルミー3姉妹を『不治の病』から治療で救った時も……シャンパンゴールドの神気の帯、直接触って貰う事で完治したんですよね。
「へぇ、やはりココロ当たり有ったみたいね」
もうワタシってば、レイラ様にココロ読まれ過ぎですよぉ (照れ♡)
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