第035❀.右拳を突き上げる!
ガーゴイルと闘って、「怖い思い」を味わったばかりの朱璃。もう一度闘わなくちゃいけない、なんて後悔してない?
こんな攻撃、あと何回避けれは良いの?って。今の朱璃は足をガクガクさせ、今でも逃げ出したい気持ちなのかしらね。
でも、正にこの時……私は朱璃の“真の強さ”の源を知る事になるの!
「ママ、やはり“異世界一”の女神なんて烏滸がましいですよ。もっと足元、固めましょうよぉ」
私、朱璃のそのひと言を聞いて鳥肌が立ったのと同時に……自分の娘なのに、尊敬の念すら感じてしまったのよ。
漸く自分を取り戻せた朱璃、ココロの中で泣け無しの勇気を振り絞ったその瞬間……ココロがぽぉっと温かくなり……
「ワタシ、ママと共に闘いたい! 今逃げ出したりしたら、二度とパパに会えない気がして……お願い、もう一度立ち向かう力を下さい!」
すると得体の知れない、でも生まれるずっとずっと前から知ってる懐かしいぬくもりに全身を抱き締められ……根拠は無いけど、何故か安心して身を委ねる事が出来たのか……
気がつくと、朱璃の両手の平がぽぉっと白く光ってるの。ハッと我に返り、周りを見回して。どうやら、半身に捻った後の着地点がガーゴイルの背中に来る様ね。
「もう一発……頭ポンポン♡です!」
半身に捻ったまま白く光った右手の平をガーゴイルの頭に乗せて、体重をかけて頭ポンポン♡をお見舞いしたの!
すると、ガーゴイルの頭を中心として全身に神力が行き渡り、ガーゴイルをいとも簡単に粉砕破壊したのよ!
スタッと着地した朱璃は、まじまじと自分の両手の平を見たの。今だにぽぉっと白く光ったままね。さっきと違って、余力も残ってるわ。
「『日本一アキラメの悪い女神』、ですかぁ……フッ、フフッ♪」
本当の意味で
初めてそう、自ら名乗れた瞬間だったのよ!
一方、私は朱璃がガーゴイルを粉砕したのを見届け……確信したかの様にガーゴイルの台座の前に身構えたの。台座が赤かったからね。
「やはりガーゴイルの心臓、“核”はこちらに有ったみたいね。ガーゴイルは本体を粉砕されるとね、復活する時に“核”が剥き出しになり赤く光るのよ!」
そしてガーゴイルの台座に向かい、緩く握った拳に充分な溜めを乗せた
「娘は私の知らない間に、いつの間にか成長してるモノなのね……でも、私だって『
ラピッドパンチで発勁の様に内部から粉々に粉砕された台座を見ず、私は背を向けたの。
「朱璃からパワー貰って、どんな事でも出来そうな気がするしねっ!」
そしてフレミングの左手の法則の様に右手の親指、人差し指、中指を伸ばしたまま高く突き上げて! 背中越しにウィンクして、こう言ったの。
「
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