第007話.無双、しまっしょい
ワタシと8匹のゴブリンとの闘いの火蓋が今、切られました! まずは様子見からです。
ワタシは周りを見渡して、数歩後ろに下がります。そして地面に落ちてる木片を、地面の段差を利用して踏んで跳ね上げます。
ヒュルン……ヒュルン……
そしてピンクゴールドの帯を右手の平から放出させながら、目の前で空中をゆっくり回転する木片に向かって全力の掌底突きをブチかましたんです!
「ん……『壁ドン♡』です!」
すると突いた箇所からへし折られた木片が、そのまま放出された帯により誘導されて。寸分違わず3匹のゴブリンの元へ高速で飛んで行き、当たった瞬間に“昇天”させてしまったんです!
ギ……ギギッ!
“昇天”した3匹の仲間を見て一番近くに居たゴブリンが1匹、怯まずに怒りの表情で襲って来ます。本能だけで動いてるからなのでしょうか?
それを右へ左へとバックステップでピョンピョンピョンと跳んで避け、3度目のジャンプと同時に両足を踏ん張り左腕を脇に絞り込みます。
ヒュン……ヒュン……
今度はワタシ、左手の平をくるくる回して。放出したその帯を巻き付かせます。
「カウンター気味に……『顎クイ♡』です!」
シュバッ……!
そして、襲って来たゴブリンの爪攻撃を右頬から滑らす様に避けて。ウィンクして半身を翻しながら向かって左の顎にカウンターの左手掌底突き『顎クイ♡』を当てたんです!
すると、直撃で喰らったゴブリンは脳震盪になり、一時的に行動停止になってしまいました。
ギギッ……ギ……?
脳震盪になった仲間を見て怯んでるゴブリンを見つけ、ダッシュしながら放出した帯で怯んだゴブリンの腕を絡み取って捕まえました。
「さぁ、次は連携技を試します! 『腕グイ♡』で捕まえてからの……」
もともと、『腕グイ♡』は緊急事態から身の安全を確保する為の回避技なんです。だから、この技はゴブリンを掴まえるだけ。
ゴブリンの肩を絡み取ると、そのまま両腕を襷がけにして手と手を握り背中にぴとっとしがみつきます。
ダッシュした勢いで身体が前に流れる中、何とか両足が再び地に着いた所で思い切りゴブリンを襷がけしたまま背中から投げ飛ばしたんです!
「そのままお空の彼方まで飛んで行けぇ! 爆走ホールド……『バックハグ♡』!」
ブォンッ……!
何と『バックハグ♡』は、“極め”と“投げ”の混合技だったんです!
ゴブリン達の目線は、今までワタシの姿を捉えてた筈なのに……次の瞬間、視界はゆっくりとワタシから夕日の空へと移り、そして地面へ。
実際は錐籾状に宙を舞ってるゴブリンには、為す術も有りません。地面に頭から突っ込んだ哀れなゴブリンは、突き刺さったまま“昇天”してしまいました……
「あら、投げ飛ばしただけで昇天してしまいましたね。実はあの技、まだ『50%』バージョンなんですよ? それでも、かなり体力使うんですけどね」
ワタシはクルッと優雅に回転して、先程カウンターの『顎クイ♡』により脳震盪になったゴブリンの所に歩み寄ります。
「ルンッ、ご苦労さま♪ アナタにはこの『でこピタ♡』をあげますね!」
そう言って、ワタシは放出した帯で頭部をグルグル巻きにコーティングします。その状態でゴブリンに超至近距離の頭突き、『でこピタ♡』を思い切り喰らわせたんです!
「せぇ~のっ!」
ゴォ……ンっ!!!
『でこピタ♡』を喰らったゴブリンは、白目を向いて“昇天”してしまいました。ワタシも、ちょっと頭がクラクラして……
さて、次は……っと♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます