第1節. 桜色の覚醒  ( 朱璃視点 )

第001話.ひた隠しにする理由

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【あらすじ】


 普通の・・・女子高生に見える少女、上村朱璃。


 そんなワタシが、マスクの下の素顔をひた隠しにする……真の理由とは?



【舞台】 日本


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 ワタシの名前は、上村朱璃うえむらあかり




 髪はダークブラウン、自慢のサラサラロングヘアーです。髪のお手入れは、毎日欠かせません。くるりターンをすれば……ローズヒップのイイ匂いが周りに漂います。


 目の色は黒です。ちなみにカラコンは入れて無いです。瞳に指を近付ける行為が怖くて、昔からコンタクトレンズはダメなんです。でも、メガネ女子では有りません。


 身長はだいたい155cm、平均的な女子高生の標準身長と、ほぼ同じ位でしょうか? これでも、最初はチビだったんです。後に合気道を始める様になって、身長が伸びたんです。


 胸の大きさは……Cカップです。お昼休み時間の女子トークで、友達から男の子達の視線が気にならない?とかよく聞かれます。大きな声では言えませんが……



 実際、気になって仕方無いんです。(ボソッ)



 でもこういうのって、キャイキャイ喋ると楽しいんですよね! アオハルしてるって感じで。



「ふぅ、男の子ってバカ……♪♪♪」











 そんなアオハルライフを守る為、ひた隠しにしてた秘密がひとつ有ります。それは、周りの皆から“フシギちゃん”って呼ばれた昔の記憶です。


 かつてそう云う風に呼ばれてたのは、ワタシがママに連れられ小学校の門を潜った時期まで遡ります。


 あの時は確か、新しい世界を前に及び腰になる小さなワタシの背中を「桜のアーチ」がポンと押してくれて……


 桜の花びらの群れが優しくサラサラと、ふわり甘い匂いでワタシを包み込んでくれたんです。




 どうやらワタシ、その時から他人には無い不思議な能力……普通の人には見えないモノが『視えてしまう』能力を既に持ってたみたいなんです。




 確かに、最初は怖かったですよ。宙空に、あっちにフワフワ……こっちにフワフワ……って浮いてるユーレイの達が、ハッキリ視えちゃう訳ですからね。


 でもそういう人達って、意外とフレンドリーなんですよ。


 ひたすら“お話相手”になってあげれば向こうも敵意を抱く事は無いですし、襲われる事も有りません。結構気さくなんです、あの人達。











 或る時は、あの曲がり角向こうの三郎さん。野良ネコのテリトリーに入って危なくビリビリに引っかかれそうになったんですって!


「だから言ったでしょ、ワンちゃんネコちゃんはね……ワタシみたいな人間と違い皆ユーレイさん達の姿が視えてるんですよ! フフッ、今度からは気を付けて下さいね♪」




 また或る時は、何故か同じ人としか話せない隆子さん。会話が最近マンネリ化して来たみたいです。他の人、何処に居るんですって?


「アナタ、この世界に思い残しが有るからこの地に縛り付けられてるんです。まずは一歩、踏み出しましょう! アナタのテリトリーの外の世界で皆、待ってますよ♪」




 要は皆さん、『寂しがり屋のかまってちゃん』なんです。こちらから手を振れば、笑顔 (?) でちゃんと振り返してくれますし。


 時に喜び、時に励ましながら……たまにココロを鬼にして、ユーレイさんの概念を逸脱した行為を強要 (??) させたりもするんですけどね。


 こういう事ばかりしてますから、ワタシの周りのユーレイさんだけ何時までも成仏してくれないんでしょうか……?




 でも10才の時、視えたんです。ユーレイさんより恐ろしいモノ・・・・・・が……

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