奴らはクレイジーだった。

@himeyomu

平和は戦争の母

解除の刻

鎖国と滅亡

 その星には様々な国があった。

 そして、それらの国々は戦争を繰り返していた。

 しかし星は3000年に、第三次宇宙大戦争に巻き込まれた。滅亡した国は100を超えた。

 生き残った国の代表者によって緊急会議が行われた。

 会議の結果、国々は協力し合うことにした。食料なども分け合い、戦争は一回も起こさなかった。国という概念は多様性を失わないようにする為損なわれなかったが、国境は廃止され、貨幣も統一された。すべての国々が協力し合うことにしたのだ。

 しかし、1つだけ鎖国を続けている島国があった。その名前はニコライと言い、独自の文化を守り続けていた。


「どうしてだ!なぜだ!ニコライとやらはなぜ我々に協力しないのだ!」

アマリー国の代表者ストーンジェリー氏は顔を真っ赤にして憤慨した。

「仕方ありませんよ…。あいつら、優柔不断なんだから…」

ストーンジェリー氏の秘書マッケイはあきれたようにため息をついた。

「我々も、ニコライ国の発展をお手伝いしようとしてるんですがね。ニコライ国はまるで分かっていないんです。あいつらです、まったく。戦争を起こせたら、武力を使ってでも開国させるんですけどね。何せニコライ国には鉄がどっさりあるらしいじゃないですか!」

「よく知っているな!ハハハ!そうだ、我々はそれが目当てだ!ほかの国々も一緒だろ?ニコライ国もそれを知って鎖国を解除させないのだなあ…」

「あいつら知らないんですよ!今のニコライ国の評判を…!迫害されつつあるニコライ国民のことをかわいそうに思わないんだなあ」

「ハハハハハハ!」

 ニコライ国は現在、危機的状況に置かれていた……。

 実はニコライ国。ずっと前までは他国とも多くのかかわりを持っていたのである。しかし、当時のイギリト国首相がニコライ国民を大量虐殺してからは、ニコライ国は他国との一切の干渉を禁じてしまったのだ。


 それから数年後のこと。とある事件が起きた。バーフ号という飛行機の墜落事件である。

 バーフ号はニコライ国で墜落したため、アマリー国は今だと思ったのか、これはニコライ国に責任があると追及した。

 当然ニコライ国は否定したのだが、ニコライ国にその権利はなかった。そしてニコライ国の開国を迫られ、とうとうニコライ国は、開国した。

 そこからのニコライ国情勢はまるで地獄絵図だった。数々の国からの迫害、大量虐殺、主要人物の暗殺に、権利の略奪…。


 そんな日々が何百年も続いた3666年のことだ。

 各国の主要人物の集まる会合で、事件は起こった。

「大変です!」

「なんだ?」

「正体不明の集団が武装して攻めてきました!」

「馬鹿な!そんな数百年前のような話、あるわけ…、え?」

「お逃げくだっ…さい……。グハァ」

 従者は刺されて死んだ。

「っ!」

 そして彼も、抵抗する間もなく刺されて死んだ。

 会合に出席した数々の主要人物はほとんどが殺された。

 事件を起こしたのは、「アンガー」という闇組織であった。

 事件により国々は混乱したが、幸いにも数人が生き残ったため、星は彼らによって支配されることとなった。


 その後、数々の支援などのおかげでようやく星は安定したが、事件の再発防止などの観点からニコライ国は各国によってさらに迫害され、ついに38世紀が始まる頃、滅亡した。

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