1-14 四人目のメインキャラ
ところでなんでそのオリバーが正門なんかにいるのよ
どうしよう、立ち去るまで待つか
それとも、
できれば前者を選びたいけど
今日はできるだけ早く寮に帰りたいのよね
理由はもちろん、学園内に残ってアルバート会長やエドモンド副会長、そしてフェリックスに遭遇したくないから
もうおなかいっぱいって言ったでしょ
仕方がない、強行突破するか
案外、何も起きなかったりして
今のところ、彼との接点はなし
接点がないんだから、何かが起きるはずないよね
フェリックスとの件は例外
あんな例外、そう何度もあってたまるもんですか
火のない所に煙は立たぬ
ちょっとことわざの使い方を間違えている気がするけど大丈夫
よし、いざ行かん!
というわけで正門へと歩き出した
いいよ、いいよ、その調子
そのままスッと通り過ぎ……
ようとしたら、なんと前に立ちふさがってきた
「君がジャン=ボール・ド・モンテルミエだな」
「そうだけれど、君は?」
もちろん知っているけど、ここでは聞かないと不自然でしょ
「僕はオリバー。オリバー・ド・ロシュ。君と同じ一年生だ」
「そのオリバー君が僕になんの用? 僕たちクラスは違うし、接点はないよね」
そう。なんで挑発的な態度を取るのか、私にはさっぱりわからない
ところが彼は思いもかけないことを言ってきたの
「接点? 接点ならある」
えっ、うそ。いったいどんな?
「お前が、お前さえ急に入学してこなかったら……」
次第に感情が高ぶっていくのが私にもわかる
ちょっと! 「私さえ入学してこなかったら」って、いったいなんなのよ!
「僕が、この僕が、シモン先輩と同室になるはずだったんだ!」
最後はほとんど叫ぶよう
えっ?
もし
いったいどういうこと?
彼の言う「シモン先輩」とは、もちろんちい兄さまのこと
ちい兄さまのフルネームは「シモン・ド・モンテルミエ」
忘れちゃった方は、第0章の「0-5 疑念②」を見てね
そう。私は入学式の数日前にあったドミニク理事長との面接で入学が決まった
入学式の数日前だから、おそらく寮の部屋割りも決まった後
そこに私がねじ込まれた
理事長の
でもちい兄さまと同室になる学生はもう決まっていて、多分入寮も始まっていた
そこを無理やりはじき出されたんだから、彼が怒るのも無理はないわね
というところで思い出した!
彼、たしかに『
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