第8話「新たな事件」

直樹と総司は見つかり黒沢の部下達に追われる。

「まずい……直樹こっちだ!」

総司が機転を利かせ直樹を誘導する。


だが、直ぐに追っ手の黒服の男達がやって来る。


「居たか?」

「いや、こっちには居ない」

「探せ!まだ近くに居るはずだ!」


物陰に隠れて居る総司と直樹。

「ハァ……ハァ……クソッ……しくじっちまったな……」

「おやっさん……すまねぇ……」

「バカ野郎……そんな事言ってる場合か……それより直樹……ここは俺が奴らを惹き付ける。お前はこれを持って先に行け」

そう言って総司は持っていたアタッシュケースを直樹に渡した。

「おやっさん……でもこれ……」

「俺にもしもの事があれば……事務所は頼んだぜ……その為に今日まで仕込んで来たんだからな……」

「え……?おやっさん……」

「行け!」

そう言って総司は黒服の男達の前に現れる。

「俺はここだ……」

「貴様……」

黒服の男達は総司に向かって銃を撃つ。

「ぐっ……あばよ……ボウズ……後は……頼んだぜ……」

総司は凶弾に倒れた。

「おやっさーん!?」

「居たぞ!!」

直樹も黒服の男に見つかった。

「くっ……」

黒服の男達は直樹にも銃を発砲した。

直樹は再び物陰に隠れる。

「クソッ……こうなったら……」

直樹はアタッシュケースのフタを開ける。


黒服の男達が直樹に迫る。

直樹はエクスカイザーに『変身』。

ビルを脱出し姿を消す。


-現在-

「俺は……おやっさんを助けられなかった……すまなかった美紀……」

「いいえ……そんな事があったんですね……話してくれてありがとうございました」


直樹と美紀は事務所に戻って来た。

「さて……午後からは営業再開するか」

「はい!」

(あの時、おやっさんがエクスカイザーを託してくれなかったら俺は死んでいた……おやっさん……俺は必ずこの街をヴィランから守るよ……)

直樹は心の中でそう強く誓った。


午後からは事務所を開け通常通り営業する。

事務所を開けてしばらくしたらドアをノックする音が……。

「どうぞー」

入って来たのは小学生位の女の子だった。

「あら?お嬢ちゃんどうしたの?パパかママは?」

少女は首を横に振った。

直樹と美紀は顔を見合わせる。

「何か依頼かい?」

「探偵さん……お兄ちゃんを探して欲しいの……」

「お兄ちゃん?」

直樹と美紀は話を聞く。


少女の名前はユズキ。

お兄ちゃんと言っても本当の兄ではなく今まで自分の事を守ってくれていたお兄さんが行方不明になってしまった為探して欲しいと言う依頼だった。

そしてユズキはそのお兄さんと撮った写真を見せた。

お兄さんの名前は神上勇一。

数日前から行方不明になってしまったと言う。

「ねぇ、ユズキちゃん守ってくれるって?」

「私、悪い人達に追われてて……」

「悪い人達?」

「うん……その人達は怪物に変身して怖いの……お兄ちゃんが居なきゃ私……」

「ヴィランか……わかったじゃあこのお兄ちゃんを必ず探し出してみせる!」


直樹と美紀はユズキに案内され今まで隠れていた場所まで行く。

そこはネットカフェだった。

「ここ?」

「うん……」

直樹は早速店員に勇一の写真を見せ話を聞いた。

勇一達は5日前までここで寝泊まりをしていたが、その日を最後に姿を見せなくなったと言う。

「ダメだな、ここから先の行方は掴めなかった」


その様子を監視している2人の男……。

「あのガキ……探偵に依頼しやがったか……スカーに報告だ……」


そしてその報告を受けたスカーは……

「そうか……お前達はしばらく監視を続けろ……こっちはこれから大事な取り引きだ……」

スカーとブラウは黒沢と接触していた。

「やぁ、君達かね……私に会いたいと連絡して来たのは?」

「ああ……」


黒沢会長と神坂。

そしてスカーとブラウが出会う。


スカーはアタッシュケースを黒沢の前に出した。

「俺達の力の源だ……これをキーにして欲しい」

「ほぉ……これは……化石か……面白いね……ヴィランキー古代生物シリーズか……」

「金は3億でどうだ?」

「いいね……この新シリーズのヴィランキーが作れれば我々にも利益になる……のったよ」

交渉は成立。

黒沢は神坂にアタッシュケースを渡し早速ヴィランキーの開発に向かわせた。

「しかし……あなた達は一体何者なんです?」

「フンッ……俺達の組織の事は多くは話せない……だが、あんたらの協力次第ではそれなりの待遇で組織に招待するぜ?」

「ハッハッハ……それは楽しみだ……是非力にならせて貰うよ……」

ここに悪の組織同士の結託が始まった。

それはこれから起こる最悪の前触れであった。


直樹と美紀はユズキを連れて勇一の行方を探し続けていた。


そんな時、突然ヴィランが暴れだし騒ぎが起きた。

「何だ!?」

サイの力を持ったライノヴィランが暴れ回り街を破壊していた。

「こんな時にヴィランか……美紀、ユズキちゃんを頼む」

「はい。ユズキちゃんこっち」

美紀はユズキの手を引き連れて行く。


直樹は『エクスチェンジャー』を取り出した。

「変身!!」

エクスカイザー登場。


エクスカイザーがライノヴィランと戦う。

ライノヴィランは突進してくる。


エクスカイザーはそれを軽い身のこなしでかわす。

「クソッ……なんなんだコイツは……」


この戦いの最中あの男達がユズキを狙う。


続く……。

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