【夫婦恋愛】友泉とたっくん〜ホワイトデーの夜に

佐伯達男

ホワイトデーの夜に…

時は3月12日の朝7時半頃であった…


場所は、アタシ・友泉とたっくんが暮らしている家のダイニングキッチンにて…


アタシとたっくんは、朝食を食べていた。


あさって3月14日は、女のコの年に1度のお楽しみ・ホワイトデー…


バレンタインデーのプレゼントは、タカシマヤ特選のバレンタインギフトの高級ネクタイとチョコレートボンボンの詰め合わせをたっくんに贈った。


友泉ゆうみは、たっくんからのお返しを心待ちにしていた…


朝の食卓のテーブルには、ツナサンドとコンソメスープとハムサラダとベーコンエッグと宅配のらくれん牛乳のビンが置かれていた…


たっくんは、愛媛新聞を読みながらごはんを食べていた。


アタシは、新聞を読んでいるたっくんに声をかけた。


「たっくん、新聞を読みながら食べていたら、ごはんが冷めちゃうよ…たっくん…」


アタシの呼びかけに対して、たっくんは『分かった。』と言うて、読みかけの愛媛新聞をひざの上に置いた後、ツナサンドを手に取った。


アタシは、何気ない声でたっくんに『あさっては何の日なのか知っている?』とたずねた。



「ねえたっくん。」

「なあにかあさん。」

「たっくん…あさっては何の日なのか知ってる?」

「あさっては、結婚披露宴の予定が一件入っている…」

「(つらい声で)そうじゃなくて、あさってホワイトデーよ。」

「ああ…ホワイトデーだった…すっかり忘れていたよ。」

「たっくん…忘れちゃだめよ…かあさんはたっくんからの(ホワイトデーの)プレゼントを心待ちにしているのよ。」


アタシの問いかけに対して、たっくんは分かっているようでいないような声で『分かったよ…』と答えた。


その後、食べかけのツナサンドを食べ始めた。


朝ごはんのあと、たっくんはイスにかけているネイビーのジャケットと黒のてさげカバンを手に取ったあと『行ってくるよ。』とアタシに言うて家を出た。


アタシは、いよてつ余戸駅ようごえきへ向けて歩くたっくんの背中をせつない表情で見つめていた。


そんな時、アタシはたっくんと出会った日を思い出した。


アタシとたっくんは、2年前に今治国際ホテルのエントランスのロビーで出会った。


お見合いは、開始から1分でスピード成立した。


それから3分でたっくんを好きになった。


お見合いした翌日に、たっくんちに入籍した。


…………


アタシは、交際期間1日でたっくんと結婚した。


アタシは、52歳まで恋のイロハ知らずに暮らしていた…


恋を知ったのは、たっくんと結婚した日であった。


たっくんも『女のコは、かあさんだけしか見えない…』と言うて、アタシに夢中になった。


アタシも、そんなたっくんに夢中になった。


アタシとたっくんが出会ってからもうすぐ3年目の春を迎える。


同時に、アタシの気持ちが少し複雑になった。


ねえたっくん…


あさってはホワイトデーよ…


友泉ゆうみ


たっくんからのプレゼントを心待ちにしているのよ…


ねえたっくん…


たっくん…


友泉ゆうみは…


たっくんが好きなの…


男の子は…


たっくんだけしかいないの…


ねぇ…


たっくん…


友泉ゆうみ


せつない…


午後1時頃であった…


アタシは、いつものようにZY(フジのディスカウントストアー)の中にあるパン屋さんのチュウボウでサンドイッチを作るお仕事をしていた。


この時、パン屋さんのサロンコーナーに小さなお子さまを連れた若いお母さま方3人がいた。


3人のお母さま方は、夫婦生活のお話をしていた。


お母さま方は『この最近、ダンナと夜の営みが少ないのでさみしいの。』とか『ダンナが真っ先にアタシにガバッと抱きついた後に、キスをする間もなくアタシのストッキングを取ってしまうのよ…』などと話していた。


お母さま方の話を聞いたアタシは、たっくんと最後に肉体関係かんけいを持ったのはいつだったかな…と思いながらつぶやいた。


最後にたっくんと裸体はだかになって甘えた日はいつだったかな…


最後にたっくんと一緒にお風呂に入った日はいつだったかな…


最後にたっくんとデートした日はいつだったかな…


この最近、たっくんがアタシに抱きついて甘えてくることがない…


友泉ゆうみ


さびしい…


悲しいよぅ〜


……………


その日の夕方5時過ぎであった。


ところ変わって、いよてつ高島屋の7階の催し物会場にて…


お仕事を終えて帰宅途中のたっくんは、ホワイトデーギフトのコーナーにいた。


たっくんは、アタシのホワイトデープレゼントをどれにしようか迷っていた。


お返しのチョコレートやキャンディの詰め合わせセットやハンカチなどのおしゃれな小物からかわいいショーツまで…


より取りみどりの商品が陳列棚ショーケースに並らんでいた。


たっくんは、どれにしようかと迷っていた。


その末に、たっくんはプレゼントを買うのをやめた。


3月13日の朝7時頃であった。


ふたりは、いつもの食卓で朝ごはんを食べていた。


アタシは、気持ちの中で『明日はホワイトデーよ…友泉ゆうみ…プレゼントを待っているのよ…』とつぶやいた。


たっくんは、朝ごはんを食べた後ジャケットと黒の手提げかばんを持って『行ってくるよ…』と言うて家を出た。


アタシは、いつものように余戸駅ようごえきへ向かって歩くたっくんの背中を見つめていた。


たっくんの見送り終えた後、アタシは鏡台かがみの前に座った。


その後、アタシは着ているブラウスのボタンを3つ外してひらいた。


つづいて、下につけているワコールの白のレースのブラジャーの右のストラップをずらしてカップをめくった。


アタシの右の乳房のニップにたっくんがつけたキスマークがついていた。


たっくんのキスマークは、今もはっきりと残っていた。


たっくんがつけたキスマークをみたアタシは、大きくため息をついた。


アタシは、最後にたっくんとデートをした日を思い出した。


最後にたっくんとデートした日は、バレンタインデーの3日後であった。


ふたりで双海(伊予市)の海浜公園へ行った。


ふたりで海をながめていた時だった。


この時、アタシが着ていた白のブラウスの上の部分が無防備にになっていた。


たっくんは、無防備になっている部分を見てコーフンしていた。


たっくんは、アタシを寝かせたあと激しいキスをした。


それから数分後に、たっくんはアタシが着ていた白のブラウスのボタンを外してひらいた。


つづいて、下に着けていたワコールのネイビーのブラジャーの右のストラップとカップをずらした。


そして…


たっくんは、アタシの右の乳房に抱きついて甘えた。


たっくんに抱かれているアタシは、終始受け身になっていた。


…………………


たっくん…


もう一度…


友泉ゆうみを抱きしめてよ…


友泉ゆうみにいっぱい甘えてよ…


友泉ゆうみ


そして3月14日…


ホワイトデーがやって来た。


アタシは、たっくんからのホワイトデーのプレゼントを心待ちにしていた。


しかし、たっくんは仕事のことで頭がいっぱいになっていたのでプレゼントを買うことを忘れてしまった。


夕方5時頃に、たっくんが帰宅した。


この時、アタシがたっくんにホワイトデーのプレゼントのことを聞いた。


たっくんは『プレゼントを買うのを忘れた…』と言うた。


アタシはたっくんに『どうして大切なホワイトデーのプレゼントを忘れたのよ!?』と怒った。


そしてふたりは、ケンカになった。


たっくんは、部屋の中に逃げ込んだあといじけてしまった。


アタシは、たっくんにきらわれたと思って悲しくなった。


ひとりぼっちのアタシは、家を飛び出した後いよてつ松山市駅の広場へ行った。


アタシは、広場のベンチに座ってボンヤリと考え事をした。


たっくんとひどい大ゲンカをしたので、アタシの乳房むねはひどくいたんだ。


アタシは…


なんでたっくんにきついことを言うたのかな…


たっくんは今ごろ…


友泉ゆうみを探し回っていると思う…


たっくん…


たっくんごめんね…


アタシは、銀天街ぎんてんがいの入り口のゲートに設置されている大型液晶テレビに映っている不動産会社の分譲マンションのCMを見た。


画面に幸せな家族の休日のシーンが映っていた。


それを見たアタシは、ますます悲しくなった。


そんな時であった。


遠くで、たっくんの呼び声が聞こえた。


たっくん…


たっくん…


たっくんは、急ぎ足でベンチに座っているアタシの元にやって来た。


「かあさん…かあさん…ここにいたのだ。」


アタシは、その場でくすんくすんと泣き出した。


「かあさん…ごめんね…ホワイトデーのプレゼントを用意することができなくて…ごめんね…」

「くすんくすん…ホワイトデー…終わっちゃった…友泉ゆうみ…かなしい…くすんくすん…」


たっくんは、くすんくすんと泣いているアタシに優しい声でささやいた。


「かあさん…ホワイトデーはまだ終わっていないよ…ホワイトデーのプレゼントは…ぼくだよ…ぼくのすべてが…かあさんのホワイトデーのプレゼントだよ。」


たっくんの言葉を聞いたアタシは、乳房むねの奥が熱くなった。


アタシは、たっくんの胸にガバッと抱きついて甘えながらたっくんにアタシの思いを伝えた。


「たっくん…好きよ…友泉ゆうみ…たっくん好きよ…大好き…たっくん…アタシのくちびるとふくよかな乳房が…泣いているの…たっくんが恋しいよと泣いているの…友泉ゆうみ…たっくんの肌の温もりがほしい…友泉ゆうみ…凍えそうなの…」


たっくんは、アタシをギュッと抱きしめながら優しく言うた。


「かあさん…ぼく…かあさんのくちびるとふくよかな乳房に甘えたいよ…」

「たっくん…大好きよ…」

「かあさん…ぼくも…かあさんが大好きだよ…」

「たっくん…友泉ゆうみを抱きしめて…強く…もっと強く抱きしめて…」


たっくんは、アタシを抱きしめながら髪の毛を優しくなでた。


夜10時前であった。


アタシとたっくんは、うすぐらい灯りが灯るベッドルームにいた。


ベッド上で、アタシはたっくんの胸に抱きついて甘えていた。


「たっくんの胸…温かい…友泉ゆうみ…」

「かあさん…」


たっくんは、アタシをギュッと押さえつけた。


「キャッ…たっくん…ねえ…たっくんってば…ヤッ…」


たっくんは、アタシが着ている白のブラウスのボタンを4つ外してひらいた。


ブラウスの中から、ワコールの白のブラジャーがあらわになった。


つづいて、ネイビーのシフォンスカートの中にたっくんの手首が入った。


あっ…


ああああああああああああああああああ…


たっくんは、スカートの中から肌色のストッキングを脱がして足元から抜いた。


たっくんは、ブラウスの間から見えているふくよかな乳房を包んでいる白のワコールのブラジャーを見たので、激しいコーフンした。


「たっくん…ああ…」


くっ…


苦しい…


たっくんは、激しいキスでアタシのお口を押さえつけた。


たっくんに押さえつけられたアタシは、身体がフニャフニャになった。


たっくんは、右のブラジャーのストラップとカップをずらしたあと右の乳房に抱きついて甘えていた。


アタシは、終始受け身の状態でたっくんに抱かれた。


たっくん…


時にはケンカになることもあるけれど…


アタシは…


たっくんが…


大好きよ…


【おしまい】

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