ミューゼ・ド・オリュッセー

空里といっしょに、ミューゼ・ド・オリュッセーに、よく行く。

ここに展示されている「ヴィーナス誕生」の絵、大好き。


空里も大好きで、この絵のそばに行くと、いつも嬉しそうに飛び跳ねている。


「空里、この絵好きなの~?」

って空里に聞くと

「うんうん!」

って言って、めっちゃ、うなづいている。


「この絵はね~ヴィーナスの誕生の絵なんだよ~!」

って空里に説明してあげる。

そうすると、空里は、めっちゃ嬉しそうに説明を聞いてくれている。


「ヴィーナスっていうのはね~、神話に出てくる愛と美の女神なんだよ~」

って説明すると

「へぇ~、すごい~」

っていうような顔で、絵をじーっと見つめている。


そういえば、赤ちゃんの頃は、いつも、わたしのことをじーっと笑って見てたなあ~。

そんな赤ちゃんの頃の空里をちょっと想いだしている。


いつも、よく2人で観に行ってるから、ミューゼ・ド・オリュッセーの学芸員のお姉さんとも仲良くなった。

「2人とも、ヴィーナスの誕生の絵を好きなんだね~」

って話しかけてくれる。

「うんっ!めっちゃ好き~」

って答えている。


「お姉さんって、この絵のヴィーナスみたい~」

って学芸員のお姉さんに言ってみた。

「あらっ!ほんとに~?嬉しいわ~!」

「ほんとだよ~!お姉さんモデルみたい~!」

「なんで知ってるの~?」

「なんとなく、そんな感じする~」


「2人も、ヴィーナスみたいよ~」

「ほんと?」

「そのうち、この絵のヴィーナスみたいな女の子になるわよ~」

「やったあ!めっちゃ嬉しい~!ねっ!空里!」

空里に聞いたら

「うんうん!」

って、めっちゃうなづいている。


「でも、ヴィーナスさんには羽、生えてないから、わたしたちは、どっちかというと、ヴィーナスさんのまわりで飛んでいる、このちっちゃな子どもたちみたいなのかも...」

「あっ!そうですね~!こっちの天使の子どもたちのほうかもしれないわね~」


「そうだよ~!お友達のユナちゃんにも、こんなちっちゃな可愛い羽、生えてるんだよ~」

「えっ?そうなの~?」

「うんっ!この絵の天使の子どもたちみたいな、ちっちゃな可愛い羽で、いつもお空を飛んで、わたしたちのところに会いに来てくれるんだよ~」

「えーっ!そんなお友達いるの~?」

「うんっ!いるよ~!」

「いいな~」

「いいでしょ~!でもね~、いつもめっちゃ可愛い乗り物に乗って来るんだよ~」

「えっ?可愛い乗り物~?」

「うんっ!めっちゃ輝いてるやつ~」

「へぇ~、すごいのに乗って来るんだね~」

「そうだよ~!飛んでくるんだよ~」

「飛んできちゃうんだっ!」

「そうなのー」



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