散歩

妹の空里の手をしっかりとにぎって、セヌー川のほとりをいっしょに散歩する。

空里もセヌー川のほとりの、いろんな草花のある道を散歩するの、めっちゃ好きみたい。

いつも嬉しそうに、わたしの手をギュッとつかんで、いっしょに歩いている。


わたしは、途中の道で、空里の背丈くらいの植物の落ちているのを見つけた。

その植物をひろって、左手に持って、右手では空里の手をしっかりつかんで、歩いている。

たまに、左手の植物を空中で大きく振り回したりすると、空里も、それを見て笑っている。


公園に行くと、ベンチに空里をすわらせて、わたしも空里の横にすわって、しばらく休んでいる。

そしたら、空に、ちっちゃな輝くもの、飛んでいた。

空里も気付いて、指をその輝いてるものに向けている。


「あーっ!ユナちゃんの乗ってるUFOだーっ!」


空里も

「うわーっ!」

って言っている。


ユナちゃんを乗せたUFOは、空里とわたしのすわっているベンチの上のほうで、めっちゃきれいに輝きながら、くるくる旋回している。

2人で、そのUFOに向かって

「わーっ!」

って手をふった。


そしたら、UFOは、ベンチの横の大きな木の枝に輝きながらピューッて飛んで来て、枝の上にピョンッて着地した。

ドアはウィーンと開いて、中からユナちゃん出てきた。

ピョンッて枝の上に降りて

「こんにちは~」

って言ったから、わたしも

「こんにちは~」

って返した。

空里もユナちゃんに手をふっている。


ユナちゃんは、フワッと枝から飛びおりると、ちっちゃな可愛い羽でパタパタ~って羽ばたいて空を飛んでいる。

それを見て空里も

「きゃあきゃあ」

言っている。


空里とわたしの、ちょうど前の地面まで、フワリと飛んできて、ピョンッと地面に足をついた。

そしたら、一瞬で、ビュンッて空里と同じくらいの大きさになった。

「うわっ!ユナちゃん、大きくなったーっ!」

って2人ともびっくりした。


「えへへ、遊びに来ちゃったーっ!」

ってユナちゃんは言った。


「どこから来たのー?」

って聞いてみた。


「ちょっと離れた星からだよーっ!」

「えーっ!ほかの星から来たのー?」

「そうだよー」

「すごーい!そのUFOに乗って来たのー?」

「そうだよー」


「なにしに来たのー?」

「あやめっちと空里ちゃんに会いに来たんだよー」

「えーっ!そうなんだー」


ユナちゃんは、空里の手を優しくにぎって握手している。

空里も喜んで、ユナちゃんの手をにぎって、上下に嬉しそうに動かしている。


「じゃあ、またね~」

って言って、ユナちゃんは、また一瞬で、ピュンって、ちっちゃくなって

「バイバ~イ!」

って言うと、フワリと飛び上がってUFOの中に入っていった。


空里とわたしも

「バイバ~イ!またね~」

って言って、ちっちゃな可愛いUFOに手をふった。


ユナちゃんを乗せたUFOは、きれいに輝きながら、空に舞い上がって、何回かクルクル回ってから、ピュイーンって飛んで行ってしまった。







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