やはり、ドライアドは美少女
「武器を捨てろ!!」
俺は味方にそう叫ぶと同時に先ほどの女性のような妖精、、いや"ドライアドのアフロディーテ"の方へ向かう。向こうも俺と同じようにこちらに向かってくる。あたりはとても静かだった。
そして、俺とアフロディーテは元々結界があった場所の境目で相対する。
アフロディーテは俺より背が低いための俺の方に顔をあげる。
その瞬間、アフロディーテはいい放つ。
「な、何をしに来たんですか!?」
その声は綺麗な見た目とは裏腹にとても若いような、初々しさを感じた。
「同盟の締結を」
俺はボソッとつぶやく。
(いやいやいや!こんな可愛い子が妖精族の長なの!?これは、破壊力がすごすぎる、、、)
「、、、ひとまず、中に入ってください。でも、他の魔物の方は入らないならという条件がありますが、、」
「あ、ああ全然大丈夫だ」
(あかん、、今の俺、完全に照れてる。)
「いや、そんなこと我々が許しません!」
空気を乱すようにクレバーが会話に入ってくる。
「俺は大丈夫だから💢ひとまずは落ち着いてくれ、、、」
俺が本気なのを察して素早く引っ込むクレバー。
「じゃあ、行きましょうか?ついてきてください。」
「わかった。」
そういうとアフロディーテは森、いや俺たちがいたところの森とは比べ物にならないような大きい木々が生えている森の奥へ案内した。その木々にツリーハウスを作るようにして妖精族は住んでいるようだ。
色々な妖精が俺を邪険な目で見てくる。
それから、俺は一番奥の大きいツリーハウスに案内されて、テーブルに座る。それまで案内をしていた護衛はいなくなり、俺とアフロディーテの二人きりなる。
「俺の名前は青木 閻、そちらはドライアドのアフロディーテでいいよな?
では、本題に入らせてもらう。俺は速やかに妖精族とウチの3部族同盟との同盟を結ばせてもらいたい。」
「はい、私がアフロディーテですけど、、、、それは結界を無理やり剥がした相手にいうことですか!?でも、あの結界が破られるということは少なくとも高位種の種族に違いない。。。私たちの中には私以外にもドライアドがいます。ひとまず、その中で一番強いドライアドのサンと決闘をしてあなたが勝ったら考えましょう。サンに勝てばあなたがあのアンデットどもに対抗できると証明できます。どうです??」
俺は一瞬も悩まずに言った。
「決闘をしよう。だがその前に、」
(ラーの天秤!!)
〈マスター、ラーの天秤の効果により、相手が嘘をついているかどうか見分けることに成功しました。
結果、、、半々です。〉
(えええーー!半々ってどういうことだ?)
〈私にもわかりませんが、ラーの天秤は"釣り合い"を示しました。〉
(ロキにもわからないなら、、、ひとまずはいいか、、)
「、、、じゃあ、こっちにきてください。」
アフロディーテは建物を出て、階段を下り、俺をおそらくツリーハウスたちの真ん中らへんにある闘技場らしき場所に連れていく。
「おーい!サン!ちょっと決闘をしてもらいたいんだけど?」
そこにはついさっきまで訓練でもしていたかのような風貌で剣を構えている上半身で筋肉ムキムキの男がいた。
いや、さっきまで訓練をしていたのだろう。
「おお、アフロディーテさん俺に何か御用ですか?」
「この男と決闘をして欲しいの。これで私たち妖精族が同盟を組むか、組まないか決まるから張り切ってやってね!」
アフロディーテは軽いノリでそのサンという男に話す。おそらくは俺が舐められてるんだろう、、、。
「なんですか、、この黒ずくめの男は!
こんかひょろひょろそうな男と対決するんですか?多分楽勝ですよ!わはははは!」
出会った瞬間から小馬鹿にしてくる。
やはり舐められていたようだ。
俺は相手のことを何も知らないくせに馬鹿にするだけしていく大馬鹿が嫌いだ。
「いやサン!この男は3部族同盟の盟主にいつのまにかなった実力者かもしれない、、、気をつけてね!」
俺は殺気がこもった視線をサンに向けつつ、円形の岩でできている闘技場の反対側に向かった。アフロディーテはサンがいる側の闘技場の外にいる。
そして、アフロディーテは言う。
「それでは!青木 閻vsサンの試合を始めます!!始め!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます