異世界での初朝

朝、、、体感的には朝7時ごろだろうか、異世界最初の朝、目が覚めた俺は不思議な高揚感を覚えた。昨日の宴会の余韻がまだ残っている。しかし、俺はその感覚のまま魔物たちを昨日、俺が演説をした場所に集合させ、俺はまた箱の上に立つ。

「みんな、ひとまず各々武器を持って、妖精族との結界の境にまた集合してくれ。」

一言だけ告げた俺はカインド、パワー、クレバーがいる方へ歩いた。

「ああ、閻さん、おはようございます!ところで、朝から何をやるつもりなんですか?」

カインドが声をかけてくる。

「まぁ、、、あっちについてからのお楽しみというやつだな。」

俺は頑なに言わないという意思を見せるかのように渋った。

「なるほど、、、楽しみにしときます!」

カインドは無邪気な顔でそう言った。少しも俺疑わないぞとでも言うかのように、

いや、、、子供のようと言ったほうが正しいかもしれない。

他の2人も何か言いたげだったが、カインドと俺の会話を聞いて言うのを辞めたようだった。

それから俺と3人は武器を装備したゴブリン、オーク、ウルフと一緒に妖精族との結界に向かった。

俺以外の魔物たちは結界がよく認識できないだろうと思い、俺が案内する形で結界に向かった。

魔物たちは朝早いのに、みんなテキパキ歩いている。道中は森が広がっていてとても綺麗な緑があたり一面、広がっていた。

(、、、ここに初めてきた時とは違って、今は一人じゃなく、たくさん仲間がいるなんて、感慨深いな、、)

そんなこんなしているうちに目的地へついた。

「ええ、みんなにはあっちの向きを向いて並んで欲しい!」

魔物たちはまだ結界を認識できていないようだったが、俺の指示に従った。

そして、俺は一人、魔物たちの最前列に躍り出る。

(レーヴァテイン!)

俺はレーヴァテインを手に取り、結界の前にかざしたと思うと、すぐさま結界に振り下ろした。

「ま、まさか、、、何をやってるんですか!?」

「おい、お主!早くそれをやめろ!」

クレバーやパワーの声が聞こえる。

その声が聞こえたと同時に結界は激しい光を出して輝き始めた。俺は懸命にレーヴァテインを結界から離さないように踏ん張る。

「うおぉーーーー!すごい力だ!!」

次の瞬間、結界がパッと消えた。

俺は衝撃で軽く遠くに飛ばされるが、

たまたまパワーが俺を受け止めた。

「何をやってるんだ、、これは、、、結界を破ったのか、、、それは妖精族に対して宣戦布告をしてるのと同義なんだぞ!」

パワーの声と共に周りがざわつき始める。

「うーん、ひとまず、、落ち着こう!!」

とっさにでた言葉と共に俺はにこにこ笑い、パワーに顔を向けた。

(こんな言葉しか出ないなんて、、、情けなすぎる、、、)

〈マスター、妖精族の結界が魔素に変換されました。レーヴァテインが吸収する魔素の量が上限に達しましたので、マスターに吸収されます。レベルが2上がりました。現在レベル3です。それから、新たなスキルは以下の通りです。

NEW、ラーの天秤〈EX〉

ラーの天秤を使うと相手が嘘を言っているのか、本当のことを言っているのか区別することができます。〉

(一個しかないのは残念だが、、、まさに、今使えるスキルだ!)

「よし!みんな、"一応"戦闘体制をとれ!」

俺は立ち上がりそう叫ぶ。

「ちょっと!な、な、何してるんですか!?」

クレバーが慌てながらいう。

「来たぞ!」

俺は盟主の儀式の時に、視力のスキルを獲得していたので遠くにいた妖精にすぐ気づいた。

「ちょっと待ってくれ!俺は話し合いをしに来たんだ!!」

遠くにいる妖精は思ったよりも小さく、よく異世界にいる緑っぽい妖精って感じの見た目だった。

しかし、その見た目とは裏腹に俺が話し合いをしたいと言っても一向に怒りの表情を変えない。

(まずいな、、このまま魔法なんて使われてたらやばい、、まだこちらの軍はほとんどあいつらに気づいてないぞ!)

俺が一人でに焦っていると向こう側から一人の魔物が歩いてくる。小さい妖精とは違い普通に白いシルクの布を纏った大人の女性という感じで若く、綺麗に見えた。

こちらのゴブリンたちも気づいたようでその魔物に刃を向ける。

「エアーブラスト!!」

相手の妖精が魔法を放とうとする。

「お辞めなさい!!」

あの女性だった。そして、俺は確信し、味方に叫んだ。

「武器を捨てろ!!」






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